SDGs 2021

2021年3月末、ついに「Loop」が日本でもスタートする。米国、フランス、英国、カナダに続き5カ国目となる日本市場をどう捉え、どんな期待を寄せているのだろうか。Loopのアジア太平洋事業を統括するループ・ジャパン(横浜市)のエリック・カワバタ氏に、日本におけるサーキュラーエコノミーというビジネスの可能性や各メーカーの容器開発など、展望を尋ねた。Loopの全体像と、日本の参加メーカーの専用パッケージ詳報と合わせてお読みいただきたい。

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(写真提供/ループ・ジャパン)
(写真提供/ループ・ジャパン)
エリック・カワバタ氏
ループ・ジャパン アジア太平洋統括責任者/日本代表
東京大学大学院法学部研究室研究員、モルガン・スタンレー、ドイチェバンクの法律顧問、投資銀行役員を経て、カーボンフリーコンサルティングでのボランティアワークをきっかけに、サーキュラーエコノミーやサステナビリティーの業務に10年間以上従事。2013年米国テラサイクルの一員となり、同年テラサイクルジャパン設立。16年アジア・パシフィック地域の統括責任者に就任。16年テラサイクルチャイナ、17年テラサイクルコリア設立。

 米テラサイクルが提案する循環型サービス「Loop」は、容器使い捨て文化から脱却し、容器を回収・再利用する仕組み。容器ごみを出さず、SDGs(持続可能な開発目標)につながる取り組みとして注目を集めている。日本では2021年3月末、LoopのECサイトに加え、イオン18店舗や同店舗のネットスーパーで取り扱いを開始する予定だ。当初はガムや調味料などの食品、消臭剤やせっけん、洗剤などの日用品が中心になりそうだ。家庭用プリンターのインクもある。

 消費者はイオンの店頭やLoopのECサイトで商品を購入。使い終わった空き容器はイオン店頭の回収ボックスに返却または返送する。Loopが回収した容器を洗浄後、Loop参加メーカー(ブランドパートナー)は洗浄した容器に再び商品を充填して販売する。

 21年3月末のサービス開始を前に、ブランドパートナーは24社に達した。キヤノンや資生堂、キリンビールなど各業界の有力企業が名乗りを上げている。

海外におけるLoopの状況は?

テラサイクルが立ち上げたLoopは、19年1月にスイスのダボス会議で発表されたサーキュラーエコノミーのプラットフォーム。19年5月に米国の東海岸エリアとパリでECを開始しました。米国では当初、顧客数を5000世帯までとしていましたが、20年9月にはアラスカとハワイ以外の全米にエリアを拡大し、現在のユーザー数は3万5000世帯以上になっています。

 実店舗での販売は21年の春から夏にかけて、オレゴン州にあるスーパーマーケット「クローガー」27店舗で開始する予定です。パリもまずECからスタートしましたが、20年11月から「カルフール」で店舗販売を開始し、パリではすでに100%店舗販売にシフトしました。パリでの販売店舗数はもうすぐ10店舗に達します。

フランスの「カルフール」内にあるLoop商品売り場(写真提供/ループ・ジャパン)
フランスの「カルフール」内にあるLoop商品売り場(写真提供/ループ・ジャパン)
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パリでECから店舗販売に完全にシフトした理由は?

フランスにおけるEC利用者数は人口の30%以下で、大多数が店舗を訪れて買い物をしているからです。フランスに限らず、日用品は実店舗で買う人が多い。Loopの商品ラインアップはまだ少なく、日用品すべてをカバーできません。そのため、通常の商品とLoop商品を併せて買うことができる店舗販売を重視しています。

 20年7月からは、英国でスーパーマーケット「テスコ」と連携して通販を開始しました。21年の夏~秋には、ロンドンで店舗販売を開始します。つい先日、カナダでのECも始まったばかりで、年内にはカナダでも店舗販売を始める予定です。

どのエリアが好調ですか?

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