世界を救う「代替たんぱく」の衝撃

米サンフランシスコを拠点とするスクラムベンチャーズが2020年に始めた、日本の食品大手と世界のスタートアップをつなげ、新事業の創出を目指すプログラム「Food Tech Studio-Bites!」。日本企業との協業を目指す代替たんぱくの海外プレーヤーから、最新トレンドを探る。

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米Kuleanaの代替生マグロを使った寿司のイメージ(写真/Kuleanaホームページより)
米Kuleanaの代替生マグロを使った寿司のイメージ(写真/Kuleanaホームページより)

 Food Tech Studio-Bites!には、2020年9月のスタート当初、事業共創を検討する日本企業として、日清食品ホールディングス、大塚ホールディングス、伊藤園、不二製油グループ本社、ニチレイ、洋菓子のユーハイムの6社が参画。その後、フジッコ、ハウス食品グループ本社、カゴメ、東京ガスの4社が追加された。また、保有するネットワークやアセットを提供する戦略パートナーとしては、日立グローバルライフソリューションズ、JR東日本なども名を連ねる。

 20年9月から募集を始めた連携先となるスタートアップは、米国を中心に世界から218社の応募を集め、そのうち85社を採択。参集したスタートアップの事業カテゴリーとしては、植物肉や培養肉に代表される「次世代フード&機能性フード」と、栄養&健康系アプリやメンタルヘルスなどの「栄養&健康」で半数以上を占めた。

「Food Tech Studio-Bites!」の参画企業、団体
「Food Tech Studio-Bites!」の参画企業、団体
採択されたスタートアップの地域とカテゴリー
採択されたスタートアップの地域とカテゴリー

 代替たんぱく関連でいうと36社の応募があったうち、今回は15社を採択。内訳は植物性たんぱく関連3社、培養関連6社、シーフード系2社、微生物発酵を手がけるスタートアップ2社、藻類の2社となる。これらのラインアップから見えてきたのは、世界の代替たんぱく市場における5つのトレンドだ。

素材の現地化、製造プロセスの分業化が進む

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