
フードテックベンチャーによる、数十億円、数百億円規模の資金調達が続く米国。日本でも、特化型のVC(ベンチャーキャピタル)が生まれるなど、活性化している。代替たんぱくをはじめとしたフードテック市場は今後どうなるか、黎明(れいめい)期から業界を追う独立系VCのグローバル・ブレインの木塚健太氏に聞いた。
グローバル・ブレイン パートナー
【第2回】 味の素が乗り出す植物肉の「おいしさ革命」 普及の起爆剤に
【第3回】 イケアの代替肉戦略 都市型店舗では既に5割が植物由来へ転換
【第4回】 おいしくて「ジャンクな植物肉」 バーガーキングの新境地
【第5回】 低コストで培養肉の大量生産狙う 日本ハムがスタートアップと協業
【第6回】 イオンが乗り出す植物肉の市場開拓 安くてうまいが肝
【第7回】 世界初「培養和牛バーガー」も誕生? 米ジャスト「グッドミート」の衝撃
【第8回】 無印良品「コオロギせんべい」ヒットの陰に徳島発ベンチャーあり
【第9回】 次の注目は「代替マグロ」「微生物発酵」… 海外最新トレンド5選
【第10回】 「代替肉」が日本でブレークするカギは 独立系VCの視点 ←今回はココ
食に関連するテクノロジー、「フードテック」が話題を集め、スタートアップ企業の資金調達のニュースも増えていますが、市場の盛り上がりをどう見ていますか。
グローバル・ブレイン パートナー木塚健太氏(以下、木塚氏) 2020年はコロナ禍に見舞われながらも、フードテック市場の勢いは衰えていません。特に米国は活況で、19年に植物肉企業として世界で初めて上場を果たした米ビヨンド・ミートが引き続き売り上げを拡大。同じく米インポッシブル・フーズも、20年に5億ドル(約525億円)と2億ドル(約210億円)の超大型資金調達を立て続けに実施しています。
グローバル・ブレインとしてフードテック領域に注目し始めたのは15年ごろでしたが、当時はフードテック領域に特化したVCが主な資金供給元で、数十億円規模の調達で大きなニュースになるレベル。それが最近では、著名なVCや大手食品会社のCVC(コーポレートVC)も積極的に参入するなど、活発化しています。
一方、日本は米国に比べて市場の立ち上がりは遅れているものの、19年にはオイシックス・ラ・大地の投資子会社がフードテック特化型ファンド「Future Food Fund」を設立し、20年にはkemuri ventures(東京・新宿)も特化型ファンドを組成するなど、支援コミュニティーは着実に拡大しています。
フードテック業界のトレンドは。
木塚氏 トレンドは大きく分けて4つあります。
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