世界を救う「代替たんぱく」の衝撃

フードテックベンチャーによる、数十億円、数百億円規模の資金調達が続く米国。日本でも、特化型のVC(ベンチャーキャピタル)が生まれるなど、活性化している。代替たんぱくをはじめとしたフードテック市場は今後どうなるか、黎明(れいめい)期から業界を追う独立系VCのグローバル・ブレインの木塚健太氏に聞いた。

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木塚 健太 氏
グローバル・ブレイン パートナー
三洋電機、日本ロレアルを経て、グローバル・ブレインに参画。三洋電機では、電気分解用電極や空気清浄機の研究開発、日本ロレアルではヘアケア製品の研究開発に従事。基礎研究から製品開発、量産化まで広範な業務に携わる。グローバル・ブレインでは、フードテック領域に早くから注視し、担当する

食に関連するテクノロジー、「フードテック」が話題を集め、スタートアップ企業の資金調達のニュースも増えていますが、市場の盛り上がりをどう見ていますか。

グローバル・ブレイン パートナー木塚健太氏(以下、木塚氏) 2020年はコロナ禍に見舞われながらも、フードテック市場の勢いは衰えていません。特に米国は活況で、19年に植物肉企業として世界で初めて上場を果たした米ビヨンド・ミートが引き続き売り上げを拡大。同じく米インポッシブル・フーズも、20年に5億ドル(約525億円)と2億ドル(約210億円)の超大型資金調達を立て続けに実施しています。

 グローバル・ブレインとしてフードテック領域に注目し始めたのは15年ごろでしたが、当時はフードテック領域に特化したVCが主な資金供給元で、数十億円規模の調達で大きなニュースになるレベル。それが最近では、著名なVCや大手食品会社のCVC(コーポレートVC)も積極的に参入するなど、活発化しています。

 一方、日本は米国に比べて市場の立ち上がりは遅れているものの、19年にはオイシックス・ラ・大地の投資子会社がフードテック特化型ファンド「Future Food Fund」を設立し、20年にはkemuri ventures(東京・新宿)も特化型ファンドを組成するなど、支援コミュニティーは着実に拡大しています。

フードテック業界のトレンドは。

木塚氏 トレンドは大きく分けて4つあります。

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