欧米ほど肉食が根付いていない日本では、植物肉ははやらない――。本当にそうだろうか。そんな間違った“常識”を世界基準で吹き飛ばそうとしているのが、イケアだ。植物由来の原料のみを使ったプラントベース食品を日本で続々と投入。普及を加速させている。同社の代替肉戦略に迫った。

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イケアはプラントベース食品の開発を積極的に進めている。このカツカレーのカツまでも“肉不使用”のプラントベースだ
イケアはプラントベース食品の開発を積極的に進めている。このカツカレーのカツまでも“肉不使用”のプラントベースだ

 スウェーデン発祥で世界最大の家具量販チェーン「イケア」。北欧テイストの家具や雑貨が人気だが、フード類も充実している。中でもスウェーデンの家庭料理としておなじみのミートボールは、イケアの代名詞。「イケア=ミートボール」と語る人もいるほど、世界中で愛され、グローバルで年間10億個も売れている。そんな看板商品を、植物由来の原料のみで再構築した、その名も「プラントボール」が2020年10月に仲間入りした。

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 店舗内のレストランで調理済みメニューを提供しているのに加え、スウェーデンフードマーケットで冷凍食品としても販売されている。食べてみるとその完成度の高さに驚く。見た目はほぼ同じで、食感は弾力があり、ジューシー。多少味付けが濃く感じられたが、もはやミートボールと言われても疑問に思わない。既存のミートボール(冷凍)が500グラムで799円(税込み、以下同)なのに対し、同じく500グラム入りのプラントボール(冷凍)は、699円と価格面でも非常に魅力的だ。

左はスウェーデンフードマーケットで販売する冷凍の「フヴドロル プラントボール」(500グラム入り)。右は調理例
左はスウェーデンフードマーケットで販売する冷凍の「フヴドロル プラントボール」(500グラム入り)。右は調理例
イケアレストランでもプラントボールメニューを提供。プラントボール8個にマッシュポテトなどが付いて499円
イケアレストランでもプラントボールメニューを提供。プラントボール8個にマッシュポテトなどが付いて499円

 実は、イケアが展開するプラントベース食品はこれだけではない。

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