「獺祭」「久保田」「八海山」といった銘酒を手掛ける“名門”酒蔵が、相次ぎ数十年ぶりとなる大胆なブランド改革や刷新に取り組んでいる。ライフスタイルの多様化に伴って求められる日本酒が変わり、現代の暮らしに合った銘柄へと変貌を遂げようとしている。

※日経トレンディ2021年3月号の記事を再構成

旭酒造は、山田錦栽培農家を対象にしたコンテストの優勝米で醸した「獺祭」を製品化し、6本をサザビーズオークションに出品。最高落札額は約84万3750円で、 日本酒の取引額として過去最高額(旭酒造調べ)となった
旭酒造は、山田錦栽培農家を対象にしたコンテストの優勝米で醸した「獺祭」を製品化し、6本をサザビーズオークションに出品。最高落札額は約84万3750円で、 日本酒の取引額として過去最高額(旭酒造調べ)となった

「獺祭」「久保田」「八海山」──。日本酒ファンでなくても一度は耳にしたことのある銘酒を手掛ける“名門”酒蔵が、相次ぎ数十年ぶりとなる大胆なブランド改革や刷新に取り組んでいる。

 背景にあるのが、長年人気を支えてきた初期のファンが高齢化し、またライフスタイルの多様化で求められる日本酒が変わってきたこと。圧倒的に強いブランドを築いた各社だが、今まで日本酒になじみがなかった若年層にも好まれる商品を開発し、現代の暮らしの日々の食事に合う銘柄へと変貌を遂げようとしている。

 「日本酒ならではのやり方で、もっと発酵の力を引き出せる商品を作るチャレンジができるのではないか。そう考えて生み出したのが、『新生獺祭』だ」。2020年に発売した新製品について、旭酒造の桜井一宏社長はこう話す。

【特集】ビール・日本酒・ワイン ブレイク予測!
旭酒造/新生獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分
旭酒造/新生獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分
酒が本来持つ発酵の力を引き出して作られた「新生獺祭」。実勢価格6600円(720ミリリットル・税込み)

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