日本酒の世界では、新興のブランドや酒蔵の活躍が目覚ましい。少量生産かつ流通を絞りながらも「これなら飲みたい!」とファンを急拡大させたのは、「No.6」で一世を風靡した新政酒造。革新的な酒造りは、業界に多様なトレンドを生み出した。今注目の一つが、「仙禽」を代表とする甘酸っぱい日本酒。昔ながらの製法で醸す「シン・ツチダ」なども話題だ。

※日経トレンディ2021年3月号の記事を再構成

 勢いのある新興ブランドの中で、今注目の一つに挙げられるのが、甘酸っぱい日本酒だ。日本酒では良しとされていなかった「酸味」に着目することで、ワインにも似たフルーティーさと酸味が融合した味わいになる。濃厚で油脂分の多い洋食とも相性が良く、「近年は、ペアリングを意識して商品を提案する酒蔵が多い。特に酸味を意識した銘柄が増えてきた」(SAKETIMES編集長・小池潤氏)。

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 代表銘柄として多くの日本酒通が挙げるのが「仙禽」だ。「モダン仙禽 亀ノ尾」(税込み1800円・720ミリリットル)は、ライチやアプリコットのような香りを醸しながら、甘さと酸味がほどよく融合する。

せんきん/モダン仙禽 亀ノ尾
せんきん/モダン仙禽 亀ノ尾
白ワインのようなフルーティさと酸味を表現。実勢価格 1800円(720ミリリットル・税込み)

 リンゴ酸を特徴とする、「HINEMOS NIJI」(税込み3080円・500ミリリットル)も面白い。例えば、柑橘類と相性の良いアクアパッツァやホタテのバター焼きなどとペアリングするといい。HINEMOSシリーズは8種で構成され、それぞれ個性的なペアリングの提案がホームページ上で公開されている。

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