日経クロストレンドは2020年12月、全国の企業のマーケター400人(20~50代・男女)を対象に、新型コロナウイルス感染拡大が自身の業務に及ぼす影響についてアンケートを実施した。20年4月に続いて2回目の調査になる。担当業務の業績見通しはどう変わったのか。ニューノーマルに適応すべくどんな工夫を積み重ねてきたのか。調査結果からマーケターが直面する課題を読み解く。

「コロナ前」に売り上げが戻らないことを前提に、マーケターは新たな取り組みに挑む必要がある(写真/Shutterstock)
「コロナ前」に売り上げが戻らないことを前提に、マーケターは新たな取り組みに挑む必要がある(写真/Shutterstock)

 「『コロナ前』の水準に戻るのは難しいと思う」(24.7%)──。この数字は、日経クロストレンドが20年12月に実施したマーケター400人調査で、「自身が担当する商品・サービス群の2020年4~12月の売り上げが前年同期比で減収の見込み」と回答した215人に対し、「いつごろ『コロナ前』の水準に売り上げが戻るか?」を尋ねた結果である。

Q1. 担当する商品・サービス群の売り上げはいつごろ「コロナ前」の水準に戻ると思うか?
(左)20年12月調査  (右)20年4月調査
Q1. 担当する商品・サービス群の売り上げはいつごろ「コロナ前」の水準に戻ると思うか?<br>(左)20年12月調査  (右)20年4月調査

 調査方法は、マクロミルで職業を「会社員」として登録している20~50代の調査モニターに自分が従事する職種を聞き、「商品開発」「広報・宣伝」「マーケティング」を選択した人に引き続きアンケートを依頼。全国400人のマーケターから回答を得た(20~50代各100人ずつ、男女比半々)。アンケート実施日は、20年12月11~13日。

 冒頭の設問で、「20年下期(7~12月)には『コロナ前』にほぼ戻った」という回答はわずか3.7%。「21年上期(1~6月)」が13.4%、「21年下期」が20.5%と、21年中の回復を見込む人も3人に1人にとどまった。「2022年以降」と「『コロナ前』の水準に戻るのは難しいと思う」がともに24.7%と多数派で、この両回答でほぼ半数を占めるという、総じて悲観的な見方が示された。

 20年4月にもマーケター400人調査を実施し、「20年4~6月の担当商品・サービス群の売り上げが前年比で減収になる可能性がある」と回答した217人に対し、売り上げが「コロナ前」に戻ると見込む時期について聞いている。当時は、「20年下期」が10.1%、「21年上期」が27.7%、「21年下期」が19.8%と、21年末までの回復を見込む人が6割弱を占めていた。一方、「22年以降」にずれ込むと見ていた人は19.4%、「『コロナ前』の水準に戻るのは難しいと思う」は11.5%と、悲観視する人は少数派だった。

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