無人店舗/自動接客の虚実

貨幣処理機大手のグローリーは、手ぶら決済に利用できる顔認証基盤の事業を2021年4月以降に展開する。認証に一般のタブレット端末を使うなどで低価格化。個人情報の管理サービスとパッケージにすることで容易に導入できるようにし、ニューノーマルで広がる無人店舗時代の本格到来をバックアップする。

グローリーが開発した顔認証システムの実験風景
グローリーが開発した顔認証システムの実験風景

 サービス名称は「Bio Pay(バイオペイ)」。消費者はあらかじめ専用アプリを使って顔写真とクレジットカードを登録。来店したときに「バイオペイで支払います」と店員に伝える。店員がタブレットに金額を入力したうえで、タブレットのカメラで消費者の顔を撮影することで顔認証と決済ができる。withコロナの状況下で求められる非接触店舗を簡単に作り出せるというわけだ。現在は各種の実験を進めており、グローリーは21年4月以降の本格展開を予定する。

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 別途用意した注文システムや、AI(人工知能)で商品を認識するシステムと組み合わせることで、無人店舗も実現できる。例えば、無人レストラン。入り口で顔認証し、ゲートをオープン。ロボットが店内を案内しつつ、会員情報や注文履歴からリコメンドやクーポンを表示する。食べ終わったら自動で決済。支払い完了を確認できたら、出口のゲートを開く――。そんな使い方が想定される。「複数のスタートアップが無人店舗の実験を進めているが、決済の仕組みをどう作るかで苦労しているようだ。その部分で支援がしたい」(グローリー ビジネスイノベーションセンター新規事業企画部部長の藤田裕一氏)。店舗の他に、イベント来場で使われることも想定している。

個人情報もまとめて管理

 特徴は顔認証技術と決済だけでなく、顔の特徴データという個人情報の管理を含めたパッケージとして提供すること。「これまで顔認証技術を持つシステム会社は複数あったが、装置提供だけで、個人情報については導入企業が管理してください、というパターンが多かった」(藤田氏)。どこが個人情報取扱事業者になるのか、運用は社内の情報システム部門が担うことができるのか、そのためのコストはどうするのか、といった点が導入の壁になっていたという。

「変なホテル」でもグローリーの顔認証システムを採用している
「変なホテル」でもグローリーの顔認証システムを採用している

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