
飲食業界でもコロナ禍による社会変化に対応するためのDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでいる。EGGS 'N THINGS JAPAN(東京・港)は2021年2月、AI(人工知能)による自動接客レジを導入した。AIレジを含む4つのシステムで、省人化と顧客に対するホスピタリティー向上を同時に実現する。
「アロハ! エッグスンシングスへようこそ」。静岡県御殿場市にある「Eggs 'n Things Coffee御殿場プレミアム・アウトレット店」でそう声を掛けて出迎えてくれるのは、液晶モニターに映るAIアバターの店員だ。同店では2021年2月3日に、AIアバターとの対話によってオーダー可能な「AIアバターレジ」を導入した。
使い方はこうだ。顧客が来店し、呼びかけるとAIアバターオハナさんが登場する。
- AIオハナさん「ご注文をご覧の中からお選びいただけますか?」
- お客様「パンケーキをください」
- AIオハナさん「パンケーキの種類はこのようになっています。ご覧の中からお選びいただけますか?」
といった具合に、モニターに映るアバターと会話することで、タッチパネル操作をすることなく、料理を注文、決済まで進むことができる。現在はクレジットカード決済にのみ対応している。アバターは対話に合わせて、口の動きや表情を変える。
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EGGS 'N THINGS JAPANが、AIアバターの構想を練って動き出したのは19年秋ごろ。「当時は人件費が高騰しており、人件費をどう抑えるのか、従業員1人当たりの生産性をどう上げるのかが課題になっていた」と同社代表の松田公太氏は話す。従業員のトレーニングなどではカバーが難しいレベルに達していたため、デジタル化で打開できないかと策を練ったという。
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