
デザイナーとクライアントの間には、デザイン経営が叫ばれる以前から、さまざまなトラブルの種があった。デザイン経営が注目され、デザインに関心を持ち始めた多くのクライアントがデザイナーに期待するようになると、トラブルの種はさらに増える可能性がある。取材するとデザイナーやクライアントから、多くの声が出てきた。
こんなクライアントは嫌だ
「クライアントは、デザイナーに過大な期待をしてくる。デザインの対価を不明確にしたまま、さまざまな業務をデザイナーに丸投げしてくる」。あるデザイナーは、こう語る。
【第2回】 世界観のベースは定期会議 鈴廣かまぼこのデザイン経営
【第3回】 河合塾の新規事業 デザイナーはパートナー、売り方まで考える
【第4回】 「もう契約更新しない」 デザイナーに突き放された経営者の覚醒
【第5回】 全社員巻き込みリブランディング 企業の存在意義から見直す
「クライアントは、デザイナーを“下請け”のように扱うのか、命令口調で指示してくる」「クライアントは、デザイナーが手掛けたデザインの内容を、勝手に変えてしまう」という悩みを話すデザイナーもいる。「クライアントとデザイナーの関係を“パートナー”として認識し、一緒に考えながら進めてほしい」というデザイナーの意見もある。
これまでデザインに深く接してこなかったクライアントの中には、デザイナーとの付き合い方を測りかねている場合もあるようだ。「当社はグラフィックが専門のデザイン会社なのに、クライアントはなぜかプロダクトのデザインを依頼してきた」という話もあるなど、デザインに対するクライアントの認識不足の面は否めない。
こんなデザイナーは嫌だ
だがクライアントからは、こんな声もある。「クライアントがどんな企業なのかも理解せずに、デザイナーは自分勝手なデザインを提案してくる。デザインのトレンドばかりではなく、クライアントの要望や身の丈に応じた提案をしてほしい」というものだ。
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