米マイクロソフト社長のブラッド・スミス氏は2021年1月13日、世界最大のデジタル見本市「CES 2021」の基調講演に登壇。CESとコンピューター、そして米国の歴史を振り返りながら、セキュリティーやAIなど、テクノロジーの発展と共に広がった社会課題に人類がどう立ち向かうかを説いた。
「CES 2021」の3日目となる21年1月13日の基調講演に登壇したのは、マイクロソフトのブラッド・スミス社長。CESに合わせていくつかの新製品を発表したマイクロソフトだが、スミス氏は同社の製品や技術ではなく、テクノロジーの進展がもたらす社会課題について語った。
スミス氏はまず、1967年より開催されているCESの歴史に触れ、ビデオやDVDなど、さまざまな消費者向けデバイスを世界に紹介する役割を果たしてきたと説明。テクノロジーの進展によって電話がポケットに入るなど小型化が進んだ一方、大画面テレビのように技術によって大型化が実現したものもあるとし、その1つがクラウドであると話した。
マイクロソフトはクラウド基盤の「Azure(アジュール)」に力を入れており、世界各国にデータセンターを建設している。スミス氏はその中の1つとなるワシントン州のクインシーにあるデータセンターについて説明した。300エーカー(約1.2平方キロメートル)にわたる広大な敷地に50万台のサーバーを設置、米国の議会図書館5万件分という膨大なデータが保存されているという。
また何らかの理由で電力供給が途絶え、電力が送られなくなった場合に備えて1万9000以上の電池セルや140台以上の発電機を設置しているとのこと。発電機の燃料は現在ディーゼル燃料を用いているが、2020年代の終わりには環境にやさしい水素などの新しい燃料に置き換える計画だという。
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