オンライン化した家電・IT総合見本市「CES」の2日目、2021年1月12日の基調講演は米ゼネラル・モーターズ(GM)。すべての車種を電動化するビジョンを示しつつ、物流事業者に向け商用EVサービスも発表。DX(デジタルトランスフォーメーション)時代のプラットフォーマーとしての脱却を目指す。
GMは将来ビジョンとして「zero crushes、zero emission、zero congestion(事故ゼロ、二酸化炭素の排出ゼロ、渋滞ゼロ)」を掲げている。「そのビジョンを実現する鍵は電動化にある」とメアリー・バーラCEO(最高経営責任者)は、すべてのクルマを電動化していく方針を示した。同社は16年のCESで低価格の小型電気自動車(EV)「シボレー・ボルトEV」を発表。現状でもまだEVの普及率は低いとはいえ、電動化に加え、多彩な交通インフラとの連携も推進することで「すべての人々に公平に安全を提供できる。今ここが転換点になる」(バーラ氏)と強調した。
そうした電動化のビジョン実現するための「技術、人材、信念を我々は持っている」(バーラ氏)として、新しいバッテリーの技術を紹介した。現在のリチウムイオン電池を構成する材料の中で、高価なコバルトを70%減らし、代わりにアルミを利用することで低コスト化。現状品よりもセルのエネルギー容量を60%増やし、大型車も電動化しやすくする。1回の充電で最大450マイル(約720キロメートル)の走行が可能になり、40%のコスト削減と25%の軽量化を実現する。将来はさらに材料のコバルトを削減し、60%のコスト減を目指すという。
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