2021年1月11日に開幕したオンライン展示会「CES」の基調講演で口火を切ったのは、米携帯電話大手ベライゾン・コミュニケーションズ。スポーツから教育、スマートシティまで、同社の取り組みを紹介するとともに、5Gがもたらす未来について語った。

5Gとの連携で医薬品のドローン宅配の効率化を目指す。将来は、処方箋を送ってから30分で自宅まで届くようになるという
5Gとの連携で医薬品のドローン宅配の効率化を目指す。将来は、処方箋を送ってから30分で自宅まで届くようになるという

5Gは単なる技術革新ではない

 米国時間の2021年1月11日に始まった家電・ITの総合見本市イベント「CES 2021」。今年はオンラインでの開催となったCESだが、その最初の基調講演にはベライゾンのハンス・ベストバーグ最高経営責任者(CEO)が登壇。同社の5Gに関する取り組みの事例について触れながら、その将来を語った。

 ベストバーグ氏は講演の冒頭、新型コロナウイルスの感染症拡大によってリモートワークやリモート学習、遠隔医療などの利活用スピードが急加速していると説明。そうした新しい社会の仕組みを支える基盤となるのが5Gであり、5Gは「単なる技術革新ではない。イノベーションを可能にするプラットフォームだ」と話す。

5Gの可能性について語る、ベライゾンCEOのハンス・ベストバーグ氏
5Gの可能性について語る、ベライゾンCEOのハンス・ベストバーグ氏

 その上で「高速大容量」「低遅延」「多数同時接続」といった5Gの特徴を、改めて説明。現在の5Gは高速大容量が主流となっているが、5Gは機能を拡張していくことで、未来を構築するネットワーク基盤になると説明した。

 その具体的な実現に向けた同社の取り組みの1つとなるのが、低遅延の実現に欠かせないモバイルエッジコンピューティング(MEC)を、米マイクロソフトや米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)と共同で進めていること。AWSの基盤を用いたMECは既に米国内の10カ所に展開しているとのことで、MECにより大企業や研究所でしか利用できなかった強力なコンピューターパワーの恩恵が消費者にも広がり、スマートフォンやノートパソコンが一層大きな進化を遂げるのではないかとベストバーグ氏は話している。

エンタメ体験向上に向けスタジアムなどを5G化

 続いてベストバーグ氏は、ベライゾンが取り組んでいる5Gの具体的なユースケースについて紹介。その1つはスポーツ観戦に関する施策であり、米プロフットボールNFLとパートナーシップを結ぶことで新たな視聴観戦体験を実現したとしている。

 ベライゾンは米フロリダ州のレイモンド・ジェームス・スタジアムで数週間前に5Gのネットワークを構築。試合中のデータや統計を高速伝送するのに役立てているほか、専用アプリを用いて試合中の映像を7つの視点から視聴できる「ベライゾン5Gスーパースタジアム」を展開するなどして、スタジアム外からも試合をより楽しめる仕組みを提供している。21年中には、NFLの28のスタジアムに5G網を展開する計画だという。

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