世界最大規模のデジタル技術見本市「CES」が2020年1月11日に開幕した。これまでの米ラスベガス開催ではなく、今回は完全オンライン化。11日の報道向け発表会で韓国のLG電子は、withコロナの中でより安全かつ安心できる生活環境が欲しいという要望に応える製品を用意した。

LG電子が見せたマスク型の空気清浄機「PuriCare」
LG電子が見せたマスク型の空気清浄機「PuriCare」

 50年以上の歴史を誇るCESは、20年の前回まで米ラスベガスの大型展示場で多数の企業がブースを並べ、世界中からの来場者を集めてきた。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、今回は完全オンライン化。Webページで基調講演や発表会などのイベントを動画で配信し、各社の新製品や技術の情報もWebページ上で見せる。

 withコロナ時代の新ビジネスを生み出すマーケティングDX(デジタルトランスフォーメーション)、次世代通信の5G、モビリティーなどが今回の焦点となる。20年のCESは4400の企業・団体が出展したが、今回は約2000にとどまる。規模の縮小は否めないとはいえ、withコロナ時代にあらゆる企業が目指すDXの行く末を見通す重要イベントであることは間違いない。

バックに入るポータブル型の空気清浄機も

 11日には一般公開に先駆けて、独ボッシュ、韓国サムスン電子、パナソニックなどが発表会を開いた。ここでは韓国LG電子の発表会の様子を紹介しよう。

LG電子の説明会では、巻き取り式ディスプレーを内蔵することで、画面の高さが可変となるスマートフォン「Rollable」を紹介。ただ、映像を見せただけで詳細の説明はなかった
LG電子の説明会では、巻き取り式ディスプレーを内蔵することで、画面の高さが可変となるスマートフォン「Rollable」を紹介。ただ、映像を見せただけで詳細の説明はなかった

 新型コロナによって生活は一変した。「外出せずに家でエンタメを楽しむ」「リモートワークの広がりでリビングやキッチンが仕事スペースになる」「あらゆるものに清潔さを求める」という消費者の行動や意識の変化は、家電の機能にも影響を与えている。

マスク型の空気清浄機「PuriCare」の透過イメージ。ファン状の部品が左右に付いている
マスク型の空気清浄機「PuriCare」の透過イメージ。ファン状の部品が左右に付いている

 「ユーザー個人とその周囲の環境をケアするために、利便性を提供すると同時に、安全性を高めることが大事」(グローバル・マーケティングセンター長のキム・ジノン専務)と位置付ける。そのための機器として、バッグにも入る持ち運び可能なポータブル型、さらにはマスク型の空気清浄機「PuriCare」を見せた。マスク型は、動画を見ると左右に回転式のファンらしきものが付いている。一般的な不織布マスクと比べて、どれだけの対ウイルス機能があるかは不明だが、話題になりそうだ。

バッグに入る小型の持ち運び用空気清浄機も
バッグに入る小型の持ち運び用空気清浄機も

 ドアに透過式ディスプレーの窓を搭載した冷蔵庫は、窓のサイズを従来モデルよりも23%大きくしたと紹介。ドアを2回ノックすると、扉を開けなくても冷蔵庫の室内に何が入っているか分かる。備え付けの給水器に紫外線のLEDライトを使った除菌機能も搭載した。

洗濯機のサポートをパーソナライズ化するアプリ
洗濯機のサポートをパーソナライズ化するアプリ

 洗濯機のユーザー支援として、カスタマーサポートのパーソナライズ化ができるアプリも発表した。洗濯機内のセンサーがスマホと連動し、傾きのない場所に設置できているかを通知する、月次の利用分析リポートを見せるといった機能がある。利用料は無料。顧客とつながりを保ち続け、利便性を高めることで手放せないサービスを構築していくという方向性は、サブスクサービスに近いとも言える。

ネスレなどと家電連携アプリで協業

 家電同士の連携プラットフォーム「ThinQ」の機能拡張についても説明した。家電からのデータをクラウド上で集約し、AI(人工知能)で分析するなど、新たなサービスを生み出せるようにするというサービス基盤だ。21年内にはオープンプラットフォーム化し、多彩な企業の参入を促すことで、サービスの多様化を図る。例えば、食料品大手のスイスのネスレや米クラフト・ハインツとの連携を図る。

家電連携プラットフォーム「ThinQ」はオープン化し、多彩な企業の参入を促す。製品のQRコードを読み取ってオーブンに最適な調理データを送信しているイメージを見せた
家電連携プラットフォーム「ThinQ」はオープン化し、多彩な企業の参入を促す。製品のQRコードを読み取ってオーブンに最適な調理データを送信しているイメージを見せた

 ネットで食品を購入し、商品が届いたらパッケージのQRコードをThinQのアプリで読み込むと、オーブンに適切な調理の温度や時間の設定が伝わる、といった使い方が可能になる。

 このほか、家庭内で動画コンテンツやゲームを楽しむためにAI技術で画質や音質を向上させた有機ELテレビ、高精細の液晶テレビを見せたほか、商業施設などで使う除菌用の紫外線ランプを搭載したロボットも紹介した。

除菌用の紫外線ランプを搭載したロボット
除菌用の紫外線ランプを搭載したロボット

 米国時間の11日には、米通信事業者大手、ベライゾン・コミュニケーションズのハンス・ベストバーグCEO(最高経営責任者)が基調講演し、5Gを活用したエンターテインメントなど新サービスを紹介した。これらの様子も追って紹介していく。

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