コロナ禍を機にモノの買い方やモノを選ぶ価値基準が大きく変化している。安心や憧れよりも、共感できるかどうかを重視する人が増えつつある。共感消費にいち早く取り組みコロナ禍でもネット通販が好調な、生活雑貨の中川政七商店(奈良市)の戦略を探るこの連載。第3回はこれまで顧客とのタッチポイントとして重視してきた、リアル店舗の新たな戦略を探る。

奈良公園にも近い人気の観光スポット、ならまちに店を構える「遊 中川 本店」。奥にはグループ会社が運営するお茶の新業態「茶論」の店舗がある
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関連記事:中川政七商店流「共感消費」の作り方
【第1回】 中川政七商店 コロナ禍でも「不要不急の生活道具」が売れる理由
【第2回】 まずビジョンありき! 社長が語る中川政七商店、事業戦略の起点
【第3回】 中川政七商店、奈良に初の複合商業施設 店舗戦略に新たな動き←今回はココ

年3~5店舗ペースで出店、10年で売り上げ3倍に

 工芸業界初のSPA(製造小売業)事業を展開する中川政七商店は現在、3業態で59の直営店を運営する(2021年1月末現在、以下同)。「暮らしの道具」をコンセプトに機能的で美しい日本の工芸を取り扱う「中川政七商店」が43店舗、「日本の布ぬの」をコンセプトに、古い文化に今の感覚を合わせたテキスタイルブランド「遊 中川」が10店舗、「日本の土産もの」をコンセプトに、工芸の地産地消を目指す「日本市」が6店舗。そのほとんどが、全国主要都市の一等地に建つ商業施設に出店している。

 主力ブランド「中川政七商店」の店舗規模は、100坪(約330平方メートル)以上の大型店と30~50坪(約100~165平方メートル)の標準店、20坪(約66平方メートル)以下の分店の3タイプある。たとえば、代表的な標準店「東京本店」は東京駅前の商業施設「KITTE」4階にあり、店舗面積は約48坪(約160平方メートル)。カテゴリー別の売上構成比はファッション40%、キッチン・テーブルウエア25%、グロッサリー10%、インテリア8%、サニタリー・コスメ8%となっている。

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