
2020年度に合わせて100億円近い売り上げを見込む、三越伊勢丹の2つのデジタル新規事業、化粧品ECサイト「meeco(ミーコ)」と食品定期宅配サービス「ISETAN DOOR(イセタンドア)」。両サービスは過去の失敗を生かして事業目標やKPIの設定を行い、高速PDCAサイクルを構築した。
果敢にマーケティングDX(デジタルトランスフォーメーション)に挑戦した先人たちの失敗と、それをどのように生かしていったかを深掘りしていく本特集。前回の記事では三越伊勢丹が今まで百貨店がやっていなかったことをやろうと次々にデジタル施策を繰り出すも、大きな方向性がないまま目の前の課題解決を図ろうとして一過性に終わってしまった失敗について取り上げた。
今回の記事では20年度に合わせて100億円近い売り上げを見込むほど伸びているミーコとイセタンドアを事例に、同社がいかに過去の失敗を生かし、デジタルを活用して顧客創造および顧客関係強化を図っていったかを見ていきたい。
「伊勢丹」ブランドをあえて使わない選択も
ミーコは19年2月にスタートした化粧品ECサイト。百貨店の強みであるラグジュアリーコスメが買えるのに加え、同年11月にスタートした韓国コスメやプチプラコスメなどのバラエティーコスメを購入できる「ミーコバラエティ」とシームレスに買い物できるのが特徴だ。自分に合う化粧品を見つけるための記事コンテンツを配信し、ライブコマースやオンラインセミナーといった新たな取り組みも実施。20年4月から11月までの売り上げは前年比約2.3倍と伸びている。
イセタンドアは百貨店ならではの高級食品から日常の食材まで、同社のバイヤーが目利きした商品を毎週提供する定期宅配サービス。18年6月にスタートし、会員数は20年10月末時点で3万人を超えた。直近でも20年3月から12月までの間に会員数が約1.8倍、売り上げは約1.7倍に伸びているという。
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