これまでの連載では、CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)の基本的な役割や機能、汎用型と特化型という視点でCDP選定のポイントを解説してきた。最終回では、これらを踏まえたうえで、顧客とのデジタル接点をどのように構築していくのか、社内の体制をどうすべきかなどについて総括とともに紹介していく。

(出所/Shutterstock.com)
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 CDPというコンセプトやキーワードが使われるようになったのは米国でも5年ほど前だ。業界団体の「CDP Institute」が設立された頃だ。実際に、マーケターがCDPという言葉を頻繁に聞くようになったのはこの2年ぐらいだろう。CDPの市場は現在年率30%以上のとてつもないスピードで成長し、2025年には世界で1兆円市場に拡大すると予測されている。

接点のデジタル化でデータ基盤が不可欠に

 「マーケティングにデータを活用することが重要」という考え方は昔から存在するが、ここにきてCDPの注目度が急上昇している。なぜか。この背景にあるのは「企業と顧客との接点の多様化とデジタル化」にある。

 Web、電子メール、SNS、eコマース、コールセンター、店舗、スマートフォンアプリ──。企業と顧客との接点はかつてないほど多様化している。これは企業が顧客を理解する手段がますます複雑になっていることも意味する。こうした様々な顧客接点を統合し、俯瞰(ふかん)することができないと、企業は顧客との関係性を正確に理解できない。

 顧客接点のデジタル化は今に始まったことではないが、コロナ禍で加速した。米国では過去1年でEC(電子商取引)市場が10年進んだともいわれている。国内でも、営業活動やイベントなどあらゆるリアルの接点がデジタル化せざるを得ない状況になっている。

 こうしたデジタル化によって、顧客理解のために必要なデータを蓄積することが可能だ。リアル接点に比べて顧客の顔は見えなくなるが、一方でデータによってこれまで以上に俯瞰(ふかん)して、顧客像を浮かび上がらせることが可能になる。

 クラウドやSaaS型のマーケティングツールが普及してきたことも大きい。マーケティングテクノロジーの数は過去7年間で50倍になったといわれている。これらのほとんどがクラウドやSaaS型である。また、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)という手段によって、それぞれのツール内のデータを連係させることが容易になってきている。