今回は「特化型」のCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)を取り上げる。CDPの中でも業種や業態に応じて、より適切な顧客IDの統合や施策の実行が可能なのが特徴だ。カスタマーサクセスの施策に適したCDPも登場している。
CDPの基本的な機能は、(1)データを収集、(2)顧客ごとにIDを統合、(3)施策実行時にマーケティングテクノロジーやチャネルとの連携、の3つが挙げられる。前回まで説明した汎用型のCDPは(1)に重きを置いているが、特化型のCDPは(2)や(3)を重視している。
具体的には、Webを中心に多数のチャネルでの施策実行に重きを置いた「オーケストレーション型」、BtoBにおいてABM(アカウント・ベースド・マーケティング)のプラットフォームからの発展型である「BtoB特化型」、ポストセールスに重きを置いた「カスタマーサクセス型」の3つが挙げられる。
オムニチャネル時代の指揮者となるCDP
オーケストレーション型のCDPは、文字通りオーケストラの指揮者が様々な楽器の奏者に指示を出して調和させるのをイメージしてもらえばいいだろう。様々なチャネルでの施策実行に重きを置いたものだ。
Web上でのコンテンツ表示、すなわちレコメンドを中心に電子メールやソーシャルメディアなどのチャネルでのOne-to-Oneのコミュニケーションを重視している。特に小売業のECサイトなどで利用されるようになった。
米ポートランドのスタートアップであるLytics(リティクス)や、イスラエル発で今は米ニューヨークに本社を置くOptimove(オプティムーブ)などが代表格として挙げられるだろう。
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