個人が投資の一環として利用できるクラウドファンディングが注目度を高めている。コツコツ利回り派には、「融資型」と「不動産投資型」の2つが有力候補。それぞれの仕組みと違い、注意点、主なサービスをまとめた。特徴を理解し、資産運用の幅を広げたい。

※日経トレンディ2021年2月号の記事を再構成

前回(第21回)はこちら

 ネットを介して、不特定多数の人から少額ずつお金を募る仕組みのクラウドファンディング。個人が投資の一環として利用できるものも多く、近年は業界の健全化が進んだことで注目度を一気に高めている。

 利回り目的でコツコツ投資したいということなら、企業にお金を貸して金利収入を得る「融資型クラウドファンディング」と、不動産に投資して賃貸料や売却益を原資に配当を得る「不動産投資型クラウドファンディング」の2つが有力候補だ。どちらも1万円程度の少額から投資でき、基本的には、お金を入れたら、後は償還期日まで待つだけ。ある程度のリスクを取って利回りの高さを求めつつ、日々の値動きを気にせずに投資をしたい、株や投信の他にも資産運用の幅を広げたい、という人に向いている。

 サービスの基本的な仕組みを説明したのが下の図。投資家は、クラウドファンディング事業者が募集する投資案件を選んで投資する。案件の運用期間中は配当が定期的に実施され、運用期間が終了すれば元本が戻ってくる。これは融資型も不動産投資型も同じだ。

融資型と不動産投資型のクラウドファンディングの仕組みと違い
融資型と不動産投資型のクラウドファンディングの仕組みと違い
融資型は、投資家から集めた資金を企業への貸し付けに回す。利回りが高い案件はリスクも高め。担保が設定されている案件は、そうでない案件に比べると利回りは低くなる。不動産投資型は、集めた資金で現物の不動産に投資する。運用期間中は賃貸料を基に配当を行い、物件を売却したらその代金で元本を償還するというのが基本スキームだ

 異なるのは資金の運用。融資型の場合は、投資家から集めたお金を企業に貸し付けたうえで金利を乗せた返済を受け、その金利分を投資家への配当の原資とする。借り手企業の資金の用途は、不動産投資や事業投資など様々だ。経営の実績が少ない、借入期間が短いなど何らかの理由で銀行から十分な融資を受けにくい借り手が多いため、金利が高めに設定される。

 不動産投資型の場合は、集めたお金を使ってオフィスビルや住宅、宿泊施設などを購入・運営して、そこから得られる収益を原資に投資家に配当を出すという流れだ。不動産投資に当たっては、クラウドファンディング事業者も一部の資金を出す(劣後出資する)ことで、投資家の資金が毀損しにくい仕組みを取り入れているケースが多い。

 例えば、利回り5%(年率)、運用期間12カ月、半年ごとに配当という案件に1万円を投資すると、6カ月後に1回目の配当250円(税引き前)があり、12カ月後の満期には元本の償還金1万円と2回目の配当250円を受け取る。配当金の総額は500円で、これが投資家が得る利益になる(実際に受け取るのは、約20%の源泉徴収が差し引かれた約400円。所得税法上は雑所得の扱いになる)。元本は満期での一括償還とするケースが多いが、融資型の中には運用期間中に段階的に元本償還を行う案件もある。

注)半年ごとに配当、満期一括償還の場合。配当は税引き前
注)半年ごとに配当、満期一括償還の場合。配当は税引き前

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