アセットマネジメントOneが運用する国内株式投信「厳選ジャパン」が成績好調だ。「社会課題の解決に貢献して成長する企業」というコンセプトに沿って投資銘柄を選んできた結果が出た。運用を担う岩谷渉平氏と関口智信氏に、2020年の振り返りと21年の見通しを聞いた。次に注目するのはエンタメ業界やエネルギー業界だという。
※日経トレンディ2021年2月号の記事を再構成
写真右/関口智信氏。同。「企業価値成長小型株ファンド」も担当し、厳選ジャパン同様、コロナ禍にもかかわらず高いパフォーマンスを見せる
2017年9月の設定以来、国内株式投信として好成績を見せてきたのがアセットマネジメントOneの「厳選ジャパン」だ。コロナショックで一時は下落するもV字回復し、19年末の基準価額1万2319円に対して、20年12月15日時点ではそれを大幅に上回る2万1553円を記録する。同投信を運用する岩谷渉平氏と関口智信氏に、20年はどのような年だったのか、また21年の見通しを聞いた。
──新型コロナの影響を避けて通れなかった20年。振り返ると、どのような印象を持ちますか。
岩谷 18、19年は米中貿易摩擦がどうなるのか、金融政策はどちらに行くのかと、次の相場の柱が見えにくかったので、それに比べたらコロナの経済テーマは分かりやすかったですね。リーマン・ショックとよく比較されるのですが、あの時からすると金融機関の財務状況は悪くないし、政権も安定していて、敵がシンプル。ファンドの運用としては、金融不安にまで至らず、対コロナのことだけを考えていればよかったというのがポイントです。コロナは人類対パンデミックみたいな非常に大きなパラダイムなので、そこから出てくるテーマは割と鮮明だったと感じています。
関口 ただ、コロナが流行し始めた当時は、もちろん色々と模索していました。例えば、ECでモノは売れるといっても、外出が減れば服は着る機会が少なくなる。その中でアパレルの比率が高い会社はどうなるだろうか、といった話などをしていましたね。相場が落ち込む中、新規銘柄の組み入れでいきなり一撃必殺のカウンターパンチを狙っても、なかなか成果が得られないか、途中うまくいったとしても最後に逆転のパンチを食らってしまうことが往々にしてある。調査をしながら、少しずつジャブを撃つように銘柄を増やしていく感じでした。
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