個人投資家に人気の株主優待。ただ2020年には、コロナ禍により優待実施企業が10年ぶりに前年を下回り、人気の優待株でも大きく値を下げたり優待内容が改悪されたりするものがあった。これまで以上に重要になる優待銘柄の見極め方と、知って得するテクニックを紹介する。

※日経トレンディ2021年2月号の記事を再構成

株主優待で得するテクニック 狙い目の年イチ優待&ポイント優待(画像)

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 様々な商品や優待券などがもらえて個人投資家に人気の株主優待が、コロナ禍にあって大きな節目を迎えた。2010年以降は右上がりに増えていた優待実施企業数が、20年は1513社(9月末時点の調べによる)となり、10年ぶりに前年(1521社)を下回ったのだ。優待制度の廃止だけでなく、優待金額を減らすなどの改悪も増えた。例えば、高い優待利回りで人気だったすかいらーくホールディングス(東1・3197)は、100株保有でもらえる食事券(カード)の金額を年間6000円から4000円に減額すると20年9月に発表。発表翌日には株価が約10%下落した。

株主優待で得するテクニック 狙い目の年イチ優待&ポイント優待(画像)

 ただ、リーマン・ショック後の09年に実施企業数が約50社も減ったことを思えば、まだ微減で済んでいるともいえる。大戸屋ホールディングス(JQ・2705)が1回当たりの食事券の優待金額を2500円から4000円に増やすなど、優待の新設や拡充を発表する企業もまだ多い。

注)大和インベスター・リレーションズ調べ。原則として9月調査だが、2000年と01年は5月、02年は11月、03年は10月、11年と15年は8月調査
注)大和インベスター・リレーションズ調べ。原則として9月調査だが、2000年と01年は5月、02年は11月、03年は10月、11年と15年は8月調査
大戸屋ホールディングスは、従来100株以上の保有で年間5000円相当(2500円相当×年2回)だった優待の食事券を、21年3月期から同8000円相当(4000円相当×年2回)に増額。優待利回りが3%台半ばになった
大戸屋ホールディングスは、従来100株以上の保有で年間5000円相当(2500円相当×年2回)だった優待の食事券を、21年3月期から同8000円相当(4000円相当×年2回)に増額。優待利回りが3%台半ばになった

 一方で、銘柄の選び方はこれまでより難しくなったといえそうだ。これまで高利回りで人気のある優待銘柄は、業績が多少悪化しても株価が下がりにくい傾向があった。しかし、コロナ禍では人気の優待株も大きく値を下げた。飲食チェーンや旅行、運輸業など、コロナのマイナス影響が大きい企業は、日経平均株価が回復した20年11月以降になっても株価が戻っていない。優待の利回りが高くても、株価がそれ以上に下落しては意味がない。

 優待株を中心に約80銘柄の個別株を保有する個人投資家のv-com2さん(ハンドルネーム)も、「優待株を今買うなら、基本的にはコロナの影響をあまり受けていない業種で、業績が安定的な銘柄から選ぶべき。株価が戻らず影響が長引いている企業は、倒産、巨額の増資、優待廃止などのリスクを意識せざるを得ない」と助言する。

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