株のプロに聞く、2021年に期待の投資テーマと仕込みたい銘柄。相場格言の一つ「国策に売りなし」に当てはまるのが、防災やインフラ整備などの「国土強靱化」、テレワークをはじめとする「働き方改革」、そしてITによる教育現場の効率化を目指す「教育デジタル化」だ。上がる株のキーワードを読み解いた。
※日経トレンディ2021年2月号の記事を再構成
国土強靭化の強い追い風が吹く
菅政権による強烈な国策マネーが流れ込むのが「国土強靭化」だ。2021~25年度に大規模地震対策などを行う、事業規模15兆円の5カ年計画を策定。土木資材製造の前田工繊 (東1・7821)など、インフラ整備に関わる企業への期待が高まっている。
高度成長期以降に作られた橋梁やビル、河川堤防などは、今後20年間で建設後50年が経過する施設の割合が加速度的に高まる。そこで注目なのが、国土交通省発注の橋梁保全工事で10年以上首位のショーボンドホールディングス(東1・1414)だ。高水準の受注残を維持しており、21年6月期の営業利益は前期比4%増を見込む。
DZHフィナンシャルリサーチの河賀宏明氏は、「防災・減災の観点から地盤改良事業が堅調に伸びる」と、不動テトラ(東1・1813)を注目株に挙げる。21年3月期は、地盤改良工事の進捗の遅れが響き営業利益2割減の予想だが、新型コロナが収束に向かうことでV字回復が期待できるという。
独自の杭圧入機を使ったインプラント工法が強みの技研製作所(東1・6289)のような、特殊な防災技術を持つ銘柄を推す声も多い。斜面・法面(のりめん:人工的な斜面)で起きる土砂災害などを防ぐ工事を得意とするライト工業(東1・1926)は、特殊土木の最大手。コロナ禍の影響が想定よりも軽微で、土木分野において工事採算性が向上したため、21年3月期上期の受注高は前年同期比2桁増と好調。下期も大型交通プロジェクトの活況などを背景に高水準の受注が続く見込みだ。
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