株のプロに聞く、2021年に期待の投資テーマと仕込みたい銘柄。高速通信規格の「5G」で注目されるのは、端末の小型化・高機能化を支える電子部品関連で、高シェアの村田製作所や将来性を見込む太陽誘電などに期待が集まる。半導体製造装置、基地局のインフラ整備関連などの成長銘柄もピックアップした。
※日経トレンディ2021年2月号の記事を再構成
新型コロナによって人やモノの移動が困難になった世界で、さらなる革新が求められているデジタル技術。中でも、次世代の高速通信規格「5G」は市場の盛り上がりが加速する。
5Gの本格的な普及はこれからだが、一足先に需要増大の恩恵を受けるのが半導体関連の企業群だ。5Gの加速に呼応し、世界の半導体出荷金額が再び拡大期に入っている。21年は半導体需要を背景にした成長銘柄を投資候補に挙げる専門家が多い。
5G時代に注目されるのは、端末の小型化・高機能化を支える最先端の電子部品だ。スマホ需要により大きく伸びているのが、半導体デバイスに必要とされる電気を保存・供給する役割を担うMLCC(積層セラミックコンデンサー)と呼ばれる部品。世界トップシェアの村田製作所(東1・6981)が代表的な銘柄だが、将来性を買うなら太陽誘電(東1・6976)という選択肢もある。同社が商品化した世界最薄のMLCCである「AWC105BJ224M6」の需要増が見込まれるからだ。「20年11月に、21年3月期の経常利益予想を260億円から330億円に3割近く上方修正。さらなる上振れも期待される」(楽天証券経済研究所・シニアマーケットアナリストの土信田雅之氏)。
半導体・電子部品関連は既に値が上がっている銘柄も多いが、まだ割安感があるものも見つかる。フィスコのアナリスト、白幡玲美氏が挙げるのが、主力である半導体製造装置関連が堅調に推移している電子部品商社の栄電子(JQ・7567)。PBR(株価純資産倍率)は1倍未満と出遅れ感がある。半導体・液晶検査装置を手掛け、EUV光源を使ったマスクブランクス検査装置で市場を独占するレーザーテック(東1・6920)も、株価の騰勢は他の半導体関連銘柄ほどではなく、高い技術力に照らせば上値余地がありそうだ。
この記事は会員限定(無料)です。
- ①2000以上の先進事例を探せるデータベース
- ②未来の出来事を把握し消費を予測「未来消費カレンダー」
- ③日経トレンディ、日経デザイン最新号もデジタルで読める
- ④スキルアップに役立つ最新動画セミナー

【最新号のご案内】日経トレンディ 2023年7月号
【巻頭特集】ずるい!ChatGPT仕事術
【第2特集】得する旅行術
【第3特集】シン・ツーリズム
【SPECIAL】山田涼介インタビュー
発行・発売日:2023年6月2日
特別定価:850円(紙版、税込み)
■Amazonで購入する