2022年の最新版をもって、30周年を迎えた博報堂生活総合研究所の長期時系列調査「生活定点」。その中から、今回着目するのは若者の意識の変化。2022年の20代と1992年の20代(バブル世代)の意識はどう違うのか? 同研究所の新任研究員、植村桃子氏が解説していく。植村氏がカルチャーショックを受けたこととは。
はじめまして! 博報堂生活総合研究所の植村と申します。私は今まで、コピーライターとしてCM制作などに関わってきたのですが、半年前から生活総研の研究員になりました。人生で初めてがっつりと足を踏み入れたデータの世界……、正直こんなに面白いと思いませんでした。
ちなみに私は今年で29歳。ほぼ同い年なのです、生活総研の行っている長期時系列調査「生活定点」と。そう、生活定点は今年で30周年!
30周年の特別企画として、30年前と今、それぞれの時代を象徴する“若者”という存在にフォーカスした『データ・コミック 2022/1992 ~あの頃と今の若者を、データをもとに描いたら~』(※)という漫画を、「生活定点 1992/2022」Webサイトのリリースに合わせて制作しました。
なんとなく、データを見る前から「けっこう違いがあるんだろうなぁ」と感じていた、2022年の20代と1992年の20代(バブル世代)。
実際にデータを見て、1992年当時の20代(2022年の50代)にインタビューをして、そしてできあがった漫画を読んでみて、「今の50代って、こんな時代を生きてたんだ……!」と、カルチャーショックを受けました。
『データ・コミック』で扱うデータやエピソードは、本編をご覧いただくとして。今回の記事はスピンオフ的に、本編とは違う視点から「バブル期の若者世代(2022年の50~60代)」と「令和の若者(2022年の20代)」のデータをご紹介したいと思います。
せっかくなので、漫画のコマを引用しながら。お付き合いいただけますと幸いです。
バブル期の若者世代の、パワフルな恋愛エネルギー
突然ですが皆さん、いくつになっても恋愛をしていたいと思いますか?
LINEの返信をすぐ返すか時間をおくか迷ったり、緊張して変なことを口走ってしまったり、デートのときに自分の好きなファッションで行くかウケが良さそうな服で行くか悩んだり……。そんな“疲労対効果”の低いことにエネルギーをさけるのは20代半ばごろまでだと思うのは、私だけでしょうか。
生活定点の調査では、「いくつになっても恋愛をしていたいと思う」という回答は、聴取開始時の1998年から全体的に年々減っています。分かる分かる。
ところが、グラフをよ~く見てください。何と、2010年を境に、それまで全体を上回っていた20代男性と、全体を下回っていた50代、60代男性の位置関係が逆転しているんです!
2010年といえば、リーマン・ショックの影響が色濃い不況期。貯金もなく失業の危機にさらされた20代男性たちは、恋愛どころじゃなかったのかもしれません……。その後もいまだ、20代男性の恋愛意欲は低いままです。
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