“40代おじさん”の意識の20年以上にもわたる時系列変化に着目した前回。「家事・育児への理解度」「イライラへの寛容度」などについて、変わったこと、変わらないことが見えてきた。今回注目するのは、「仕事」「余暇」に関する意識。自らも40代である博報堂生活総合研究所の上席研究員・前沢裕文氏が気付いたおじさんの意外な変化とは。40代おじさんの「◯◯離れ」が分かる趣味ランキングも公開。
▼前編はこちら “40代おじさん”の意識はどう変わった? 20年前のおじさんと比較前編の「家事・育児への理解度」「イライラ時間への寛容度」「家族・友人との関係構築力」に続いて、後編の始めは仕事や働き方への意識について長期的な変化を見てみましょう。
【仕事愛・会社愛】
他の調査項目と比べると、2018年からコロナ禍の2020年にかけての変化が特に大きいことが特徴です。
1998年は、「仕事が好き」「給料以上に働いている(自己評価ではありますが)」と回答した40代おじさんは5割を超え、「会社に対する忠誠心がある」という人も41.8%で50代男性(47.6%)に次いで全体2位の高さでした。なんだか会社員の鑑たるデキるサラリーマンのようなおじさん像が浮かんできます。
時を経て2014年以降の近年の40代おじさんは、仕事が好きなわけでもなく、給料以上に働くわけでもなく、会社に対する忠誠心も高くない。笑 会社にとって迷惑な存在になりかけていました。
ところが、コロナ禍の下で40代おじさんの仕事愛・会社愛に変化が表れます。相変わらず給料以上には働きませんが、急に仕事が好きになり、急に会社への忠誠心が高くなります。特に、忠誠心については過去最低だった2018年から10.0ポイント爆上げし、全性年代中1位の数値となっています。
余談ですが、「勤務中に会社のPCで私用のメールを送受信することをどう思いますか?」「勤務中に会社のPCでインターネットを私用で見ることをどう思いますか?」という質問に対して、「別にかまわない」と答えた人の割合が2020年の調査で最も多かったのも40代おじさんでした。私用で使ったって構いやしない。忠誠心があるんだもの。
さらに余談を重ねますが、ちょっとした仕事観の変化を表すこんなデータもありました。
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。