2040年の未来への願望に男女差、年代差はあるのか。博報堂生活総合研究所が2021年10月に実施した「生活者1万人への未来調査」。その結果を詳しく分析してみると、性別や年代によって、異なる願望が見えてきた。前回に引き続き、博報堂の研究員が“生活者による未来予測”から、約20年後の人々の求める生活をひもとく。
世界レベルで予期せぬ出来事が次から次へと起こる昨今、ビジネスパーソンの間で高まっている「未来予測」への関心。前回の記事「『2040年はどんな社会?』 1万人が回答した望む未来と望まぬ未来」では、大事なのは「生活者がどんな未来を望むのか?」だという視点から、博報堂生活総合研究所(以下、生活総研)が実施した「生活者1万人への未来調査」の結果を紹介。120項目におよぶ、2040年の生活や社会の様子(未来事象)に対する生活者1万人の実現願望と予想を基に、生活者がどんな未来を思い描いているのか大まかに展望してきました。
▼関連記事 「2040年はどんな社会?」 1万人が回答した望む未来と望まぬ未来続きとなる本稿では、「生活者1万人への未来調査」の結果をもう少しブレークダウンし、男女や年代による、未来に対するスタンスの違いを見ていきたいと思います。
未来への願望、男女ギャップが大きかったのは……?
調査では、「2040年、医師が遠隔にいながら診療や手術をすることが普通のことになっている」など、2040年の生活や社会の様子(未来事象)を120項目ほど提示。各項目について、実現してほしいかどうか(願望)と、実現しそうかどうか(予想)の2つの観点から回答してもらっていました。今回はそのうち「願望」の部分に着目し、未来事象に対する「願望の男女ギャップ」をご紹介します。例えば、
「裁判を人ではなくAI(人工知能)が行うことが普通のことになっている」という未来事象に対しては、
男性の願望:27.1%
女性の願望:20.4%
という結果になっているので、両者の差をとって、願望の男女ギャップ(男性-女性):6.7pt という具合になります。
そのようにして120項目全体で男女ギャップを算出し、その平均をとったところ、出てきた数値は「-0.8pt」。これは、女性の方が男性よりも総じて、願望の回答割合が高いことを意味しますが、それほど大きな差ではありません。そんな中で、男女ギャップが大きく開いている未来事象とは、どんなものなのでしょうか?
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