消費者の行動や欲求を、ビッグデータから読み解こうとする動きが広がっている。そんな中、最近では特別なスキルがなくても、ビッグデータ分析にアクセスし、マーケティングに生かせるツールも出てきている。博報堂生活総合研究所の研究員たちが、データから消費者の行動変容の芽を探る本連載。今回は番外編として、ビッグデータを活用した生活者研究を推進する酒井崇匡氏が、誰でも無料で使える分析ツールと、その使い方のコツを解説する。
私は博報堂生活総合研究所で、ビッグデータを使った生活者の見えざる欲求の可視化を、デジノグラフィ(Digital Ethnography)と称して研究しています。近年、誰もが特別なスキルがなくてもビッグデータ分析にアクセスできる、民主化されたツール群が多く世の中に出回るようになってきました。
これは非常に重要なことです。なぜなら、見えざる欲求を発見するためにどんなデータに着眼するか、分析結果をどう解釈するか、そこからどんな新しい提案を発想するか、全てのプロセスで重要な役割を果たすのは、結局ビジネスの現場で生活者に寄り添っている人々だからです。
データサイエンティストなどの専門家の分析・解析スキルはもちろん非常に重要ですが、それだけでは圧倒的に視点と発想の量が足りません。多くの人に、自由に使える武器が配られるべきですし、実際のところ、ビッグデータ分析のための有償、無償の様々な武器がオープンに利用可能になりつつあるのです。
そこで今回は、読者の皆さんが今すぐ使えるビッグデータ分析の武器を、3つご紹介したいと思います。
武器その1 Googleトレンド(検索データ)
武器その1は超メジャーな検索データ分析ツール、「Googleトレンド」です。
今さらかい! という声が聞こえてきそうですが、実はGoogleトレンド、直近の検索データだけでなく、2004年から18年間にわたる検索ボリュームの変化を分析することができる、ビッグデータ界でも珍しいロングデータとしての性格を持ったツールなのです。
このコンテンツ・機能は有料会員限定です。