数々の“クソリプ”を受けてきたグラビアアイドルの倉持由香さんに、おじさんが陥りがちなコミュニケーションのズレを聞く記事の後編。イタいコミュニケーションの話は尽きないが、実は全体の9割は好感度の高いモテリプだという。今からすぐにでも実践できる、倉持さんが語る「モテリプ三原則」とは?

後編も引き続き、グラドルの倉持由香さんにおじさんのコミュニケーションについて聞いた
後編も引き続き、グラドルの倉持由香さんにおじさんのコミュニケーションについて聞いた
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前沢 裕文(以下、前沢) 倉持さんがバリバリにグラビアをやっていた頃から、ご結婚、ご出産とライフステージが変わっていく中で、寄せられるクソリプの内容に変化はありました?

倉持 由香(以下、倉持) めちゃくちゃ変わりましたね。グラビアをやっているときは、さっき(前編)のように衣装に関するものや、「おっぱい見せて」みたいなものが多くて。「見せるわけないだろ!」っていう(笑)。そこから、今は結婚、妊娠、出産、子育てで新たなジャンルのクソリプが……。

前沢 (笑)

倉持 出産、子育てに関してはとても多いですね~……、クソリプ。例えば、私は普通分娩で産もうと最初考えていたんですけど、2日陣痛に耐えてもお産が進まず促進剤を打ってもらったんですが、人生最大の激痛に発狂しそうだったので、途中で麻酔に切り替えて無痛分娩にしてもらったんですよ。ということを投稿したら、「無痛分娩なんて甘え」とか「無痛分娩にしたら愛情が湧かない」とか「母性が湧かない」とか。

 私はすぐに現場仕事に復帰することも決まっていたので、少しでも体力を温存して、その分すぐに働けるようにしたほうがいいだろうと思ったんですけど。

 痛みと愛情がイコールだったら、痛みを味わわない父親は愛情がないんか!?ってなりますよね。

前沢 もしかしたら多くの妊婦さんが、ネットに限らずリアルでもこういうことを言われているのかもしれないと考えるといたたまれないですね。

倉持 産後、メンタルが不安定になっていたんですよ。慣れない新生児の育児とホルモンバランスの乱れとで「うわーっ!!」となっているところに、こういうリプがくるのはやっぱり嫌でしたね。

前沢 痛みを感じる、苦労することこそ愛情と考えるのはそれぞれとして、その考えを押し付けてくる方が一定数いると。

倉持 「根性が足りない」「甘えだ」という考えの方、いまだにいますよね。もう令和ですよ!?

 盲腸の手術をするとき、麻酔かけるでしょう? 自分の体に愛情が湧かないって言わないですよね? なのに、月経や妊娠、出産に関しては根性論押し付けてくる方、多いです。時代も技術もどんどん変わっていっているから、柔軟になってほしいですね。

 母乳と離乳食に関しても多いですよ。「やっぱり母乳が一番なんだよ」というリプが。

前沢 「母乳でなければ愛情が感じられない」と?

倉持 そうです。「母性がないですね」とか。

 私の場合、母乳は出たんですけど、息子が乳首をガン拒否するタイプで。おっぱいを近づけようとするだけで「うぎゃー!」ってこの世の終わりみたいに泣くので、かわいそうになっちゃって。

 哺乳瓶に入れるとぐびぐび飲むので、母乳じゃなくてただ私の乳首が嫌いなだけだと思うんですけど、「母乳を飲まないのは母親の食生活の問題ですよ。食生活を見直してください」というリプがきたり。

 離乳食についても、「市販のベビーフードを使うなんて愛情がない」と言ってくる“ベビーフード否定おじさん”も。

前沢 世代的に、自分がそう育ったからということなんですかねえ。

倉持 「俺のお母さんはちゃんと離乳食とか手作りしてくれた」とか言われたりしますね。今のおじさんのお母さんってきっと専業主婦の方が多かったでしょうけど、今は共働き家庭も多いですし。共働きで、育児して、家事して、さらに離乳食は素材をじっくり煮て裏ごしをしてすり潰して……ってできないですから! 無理したせいで育児ノイローゼになってしまったら元も子もないです。

 びっくりしたのは、“お食い初め警察”が現れたことです。

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