おじさんのコミュニケーションはズレている? 博報堂生活総合研究所の「生活者調査」からは、嫌われるおじさんの共通点が見えてきた。特徴的なのが、外見ではなく、コミュニケーションに対する指摘がほとんどだということだ。「私は大丈夫!」。そう考えるおじさんも、うっかり嫌われる会話をしているかもしれない。SNSで情報発信を行い、数々のズレているおじさんコミュニケーションにもさらされている、グラビアアイドルの倉持由香さんに話を聞いた。
「口うるさい」「理屈っぽい」「怒りっぽい」「説教」「自分勝手」「上から目線」。下にずらりと並んだ言葉の数々は、一体何でしょう?
これは、生活総研が行った生活者調査で「◯◯なおじさんは苦手だ」の◯◯を埋めてもらったもの。その自由回答をテキストマイニングツールで分析して、特徴的な単語をまとめた結果です。
散々な言われようなのに言い返せる気がしないのは、図星なところもあるから。体を震わせ、半泣きになりながらも、よくよく眺めてみると、あることに気づきます。
それは、「清潔感(がない)」「加齢臭」なども挙げられていますが、ほとんどは、“おじさんのコミュニケーション”についてだということ。つまり、回答者の多くにとって「おじさんのコミュニケーションの取り方が苦手!」ということでしょう。
昨今、おじさん構文(メッセージを送る際に絵文字を多用したり、不思議な句読点の打ち方をしたりするおじさん特有の文体)が話題になりますが、おじさんのコミュニケーションのズレっぷり、イタさは、定期的に話題に上ります。その盛り上がりは、賛同者や被害者の多さの裏付けでもあるわけで、40代おじさんとしては笑うに笑えません。
そこで、今回はおじさんのコミュニケーションのズレっぷりを、“クソリプ”を事例として考えてみたいと思います。クソリプとは、その名の通りクソみたいなリプライのこと。SNSの投稿に対する誹謗(ひぼう)中傷・暴言、揚げ足取り、見当違いや返事のしようもないどうでもいい返信など、クソのごときリプを指します。上品さのかけらもないそのネーミングが、そのままクソリプの品のなさを言い当てているのではないでしょうか。
そして、クソリプには「上から目線」「押し付け」「見下し」といった、嫌がられるコミュニケーションの要素もぎゅっと詰まっています。「そんなの送っているのはごく一部の人だけでしょ?」と思われるかもしれませんが、意外や意外、多くの人、しかも“普通の人”たちが送っているようです。そして、その中には残念ながら40代おじさんも含まれているようで……。
おじさんコミュニケーションの研究家と呼ぶのは申し訳がなさすぎますが、職業柄SNSでの情報発信を頻繁に行い、そのために毎日のようにクソリプが送られてくる、そしてあるときからクソリプの保存・分類を始めたという、グラビアアイドルの倉持由香さんにお話を伺いました。耳が痛い。心も痛い。そんなインタビューとなりました。
前沢 裕文(以下、前沢) (冒頭の調査結果をご覧いただきながら)「○◯なおじさんは苦手だ」の◯○を埋めてもらう調査をしたところ、「怒りっぽい」とか「上から目線」といった回答が多くて。第一印象としていかがですか?
倉持 由香(以下、倉持) 押し付ける、自己中、高圧的。これ、確かにおじさんによくありがちな特徴ですよね……。
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