「40代おじさん」だけでなく、50代男性だってツラい……。博報堂生活総合研究所「生活定点」の調査のデータから、50代男性は“幸福度が低い”ばかりか“夢も希望も少なく”、その背景には「定年前の3つのブルー」があることが見えてきた。しかも、60代になると一転、「定年後ハイ」になるという。現在62歳の“先輩”研究員が、逆境の50代をどう乗り切るか、同世代だけでなく40代おじさんにも近い将来役立つ対策を指南する。
筆者は62歳の男性研究員。2年前に定年を迎え、ありがたいことに現職を得ることができ、改めて現役時代とは類いの異なる研究員の仕事に挑戦しております。
さて2021年4月、70歳までの雇用支援を努力義務とする「改正高年齢者雇用安定法」が施行されました。医学の進歩、健康に過ごすための知識と行動で、ますます長寿化し、人生は長くなっています。かたや年金などお金の不安はつきまとう。それらを含め「働く生活」「働かないといけない生活」はますます長くなっていきそうです。
50代の男性で、定年を控える、あるいは次の人生を考えるステージにあるベテラン男性ビジネスパーソンのみなさん、現在の心境はいかがでしょうか?
博報堂生活総合研究所の「生活定点」調査のデータでは、50代男性はなんだか大変な状況におかれているようです。
50代男性の「幸福度」が最も低く、「夢や希望」も少ない
現在、「幸せ」か、加えて「自分の将来イメージは明るい」か。実は50代男性のスコアが男性20~60代の中で最も低いのです。それだけではありません。50代男性のスコアは、女性も含めて性年代別10層の中でも最も低かったのです。
また、「身の周りに夢や希望が多い」「世の中のことに夢や希望が多い」も、それぞれ年代が上がると徐々に下がり、50代男性で最も低くなります。
幸福度が低く、自分の将来イメージも明るくない。夢も希望も多くないのはなぜでしょうか。データからは、定年を前にした50代男性に3つの「ブルー(憂鬱)」があることが見えてきました。
具体的には「負担のブルー」「仕事のブルー」、そして、それらを背景にした「老後の備えのブルー」です。50代男性の定年前ブルー、それぞれ見ていきましょう。
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