40代おじさんとしての先輩で、憧れの存在でもある奥田民生さんを対談相手に、博報堂生活総合研究所の前沢裕文氏(44歳)が教えを請うた記事の後編。数々の成功を収め、前編では失敗といえば芸名を付けなかったことくらいだと話す。しかし後編では、実は40代おじさんと同様に自信がなく、むしろビビりだと打ち明ける。自信なしに結果を出した、その考え方と生き方を学ぶ。

前編はこちら

前沢裕文(以下、前沢) “40代おじさん”の意識調査の結果もご覧いただきたいのですが。例えば、自分に自信がないっていう人が多かったり(編集注:日経トレンディに掲載された過去の連載を見ながら)。

奥田民生氏(以下、奥田) まあ、「自分に自信がある」って言わないですけどね。

奥田 民生
1965年広島生まれ。87年にユニコーンでメジャーデビュー。94年にシングル「愛のために」でソロ活動を本格的にスタートさせ、様々なアーティストとのコラボレーションや、プロデューサーとしての才能も遺憾なく発揮。バンドスタイルの「MTR&Y」、弾き語りスタイルの「ひとり股旅」、宅録スタイルのDIYアナログレコーディング「カンタンカンタビレ」など活動形態は様々。テレワークでゲストとつながりトークや演奏を繰り広げる「カンタンテレタビレ」やバーチャル背景で演奏する「カンタンバーチャビレ」などをYouTubeにて次々と公開。その独自の活動でリスナーのみならずミュージシャンからも愛されている。

関連リンク(クリックで別ページへ):
奥田民生(RAMEN CURRY MUSIC RECORDS)公式YouTubeチャンネル
奥田民生 OFFICIAL WEBSITE
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前沢 謙虚な気持ちで「自信がない」と答えている人もいるかもしれないと。

奥田 そうそうそう。自信がある人も、そう言わないのがいいところみたいな。特に日本人って割とそう。あえて言いませんみたいなのが、美学だったりしますもんね。

前沢 何に自信がないかを具体的に掘っていくと、「家族に対する態度や姿勢」とか、「過去の体験や経験」とか。謙虚というよりはちょっとコンプレックスというか負い目を感じているみたいなのがちょこちょこと出てきます。

奥田 まあでも、それは分かりますよ。

前沢 あ、分かりますか?

奥田 分かりますよ。そんなに自信満々に生きてきてないですし。ビビリですからね(笑)。

前沢 そうなんですか?(笑)

奥田 そうなんですよ。だから人の意見も割と気になるし。運が良かったなとか、そういうのも含めて、まあ結果がうまくいったなぁという気はありますけど。自信があったかというと、例えば、デビューしたら曲をつくらなきゃいけないわけですけど、いい曲つくる自信なんてのは全然なくて。初心者っちゃ初心者ですしね。

 やっていくうちに、なんとなく通用しているのかもしれないなくらいの感じで、なんとなくそれが、だんだん他にはない自分だけのものってのが出てるのかもしれないなぁとか、徐々に思っていく感じですね。

 だから、最初から通用すると思ってやっている人もいると思うけど、俺はバックボーンも何もない。みんなプロは、音楽いっぱい聴いて、知識がすごいって思っていたから。あちこちにたくさん天才がいるし。やれる自信なんて全然なかったですよ。

前沢 最初、探り探りという感じでやりつつ、どこかでやっていけるなというめどが立ったり、先程人の意見が気になるとおっしゃっていましたけど、いい評判がたくさん入ってくれば、自信につながったり。そういう感じですかね。

奥田 バンドでやって7年くらいかな、1回解散してソロになって、そのときに「ソロになってしまったけど、この後できんのかな」とか、ちょっと不安になったりもしていて。何年かして、ソロも普通にやれるなみたいな、あのあたりからちょっと余裕ができたというか、そんなくらいすよ、だから30歳ちょいくらいですよね。

 自分が思っているアイデアを、みんなも受け入れてくれる、その経験が増えていったことで、できるようになったかもと感じる。そんな感じですね。

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