博報堂生活総合研究所の前沢裕文氏(44歳)が、同じ「40代おじさん」であるロンドンブーツ1号2号の田村淳さんを対談相手に迎えた記事の後編(前編はこちら)。40代おじさんに関する見解を話してくれた前編から、自身の幸福観、夢の成功体験の重ね方、遺書を書くことのすすめへと話は広がり……同性代男性への愛情あふれる助言や提案が相次いだ。
<前編はこちら>
前沢裕文(以下、前沢) 近々「幸福」に関する生活者調査を予定していまして、その中で「これまでの人生を振り返って、あなたの人生に点数をつけるとしたら100点満点中何点ですか?」という質問と、「日本人全体を100人としたとき、あなたは何番目に幸せだと思いますか?」という質問をしておりまして。淳さんにもお伺いしたいのですけど、いかがですか?
田村淳(以下、田村) 僕、絶対トップ5に入っている自信がある。1位って言い切らないのは、「わあ、あの人かっこいいな」とか「わあ、あんなふうになりたい」と思う感覚があるので、トップ1じゃない。
だけど、トップ5に入っているってすごく自信を持てるのは、そこは他人との比較ではなくて、自分自身の満足度が高いからです。やりたいことをやれている人生で、家族がいて、娘が生まれて、だからどの瞬間もすげー幸せなんですよ。
最近よく思うんですけど、一日のスピードが目まぐるしいんですね。年を取ったら時がたつのが早くなるっていうけど、自分なりに分析した結果、満たされていることが多いから。
あっという間に、シュッシュッシュッシュッて終わっちゃうんですよ。子供といる時間が楽しいから、シュッて終わるし。仕事している時間も楽しいから、シュッて終わる。趣味でやっているギターの時間、シュッて終わる。英語の勉強している時間、シュッて終わる。昔よりもダラーっと生きていないので、スピード感がめちゃめちゃ速い。
だから、トップ5……トップ3でもいいくらいだと思う。
前沢 とすると、点数的には100点ですか?
田村 98点……かなあ。絶対に残すようにしているんですよ。
前沢 満足しきらないように?
田村 徳川家康が日光東照宮を完全につくらなかったという話が好きで。未完成の場所をたくさん残しているんですよ、わざと。100だと満足しちゃうからちょっと残すっていう、その話が好きで。だから自分に100点なんて絶対に与えないし、「まあ100点じゃないだろうなあ」と思いながら生きたい。
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