「40代おじさん」を前後編にわたって分析する第2回(第1回はこちら)。コロナ禍前後で実は「幸福度が上がった」40代おじさんだが、それでもイライラや周囲への不満は依然として高い。それを解決する手立ては何なのか? 44歳の上席研究員が、“おじさん代表”として分析していく。
<前編はこちら>
前半では、四面楚歌、絶体絶命の40代おじさんの特徴を5つご紹介してきました。このままでは周りから疎まれるばかりですが、もちろんうれしい調査結果だってあるんです。
⑥ 40代おじさんは「人情派」
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親の相談に乗ったり、困りごとを解決することがある
28.1%(男性1位) 全体:31.7% -
1年以内に、ホワイトデーの贈り物をした
36.3%(1位) 全体:20.4% -
「いただきます」と「ごちそうさま」は必ず言う
57.1%(男性1位) 全体:59.0%
「親の相談に乗ったり、困りごとを解決することがある」と回答した人の割合が、前回2018年調査(22.1%)から+6.0ポイントの28.1%で男性中1位となりました。女性平均が39.2%なので、女性にはかないませんが、コロナ禍で不安を抱える親の支えを果たそうとしたことがうかがえます。
ホワイトデーのお返しをきちんとする律儀さ、慌ただしい毎日でも「いただきます」「ごちそうさま」を言うことを忘れない礼儀正しさ。何だかかわいくないですか? いつもイライラして腹を立てている40代おじさんの人情派な一面は、ワンチャン捨て猫を拾う不良のごときギャップ萌えを印象づけられるかもしれません。
「寿司よりカレー」な40代おじさんたち
⑦ 40代おじさんは「庶民派」
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ものを定価で買うのはばかげていると思う
31.4%(1位) 全体:25.5% -
カレーライスが好き
81.9%(1位) 全体:69.3%
地に足が着いて浮かれない価値観は、足るを知る大人ならではの特徴でしょう。もの一つ買うにしたって、安価に手に入れる方がいいに決まっています。食についても、「好きな料理は何ですか?」という質問に「カレーライス」と回答した人の割合が18年(73.9%)から+8.0ポイントとカレー熱が高まった結果、全性年代中で1位に。好きな料理でカレー>寿司となったのは40代おじさんのみで、やれ究極だやれ至高だなどと言い出さない庶民的な感覚に好感を持ってもらえるはずです。
庶民的というとケチのように聞こえるかもしれませんが、合理的、現実的ということだと思います。
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超能力を信じる
16.6%(最下位) 全体:22.2%
お金、愛、占い・おみくじ、人の善意など、様々なものについて「信じる」「信じない」を尋ねた質問で、「超能力を信じる」と回答した人の割合が、全性年代中で最下位でした。リアリストとして目の前を的確に見据え堅実さを貫けるのは、40代おじさんの強みではないでしょうか。
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