短時間で「もう一品」「つまみをササっと作りたい」といった要望に応えるため、コンベクションオーブンがコロナ禍で売れている。発生した熱をファンで循環させて、熱風で調理するもの。手間を減らして確実に仕上がるオススメの3台を紹介する。
※日経トレンディ2021年1月号の記事を再構成
超高温の熱風で食材を包み込んで全体をむらなく焼き上げるコンベクションオーブンが、コロナ禍で売れている。短時間で料理が失敗しにくいうえ、予熱時間がかからないので「もう1品を作りたい」「つまみをササッと作りたい」といった要望に応えられるためだ。
コンベクションオーブンとは、発生した熱をファンで循環させて熱風で調理するというもの。例えば鶏もも肉のグリルやハンバーグは中まで火が通ったのか分かりにくく、フライパンでやると失敗しやすい典型例。コンベクションオーブンを使えば、温度とタイマーを設定するだけで手間を減らして確実に仕上がる。
もともとは鶏の唐揚げなどを油を使わずにヘルシーに作れるとあって注目を集めたが、最近は小型化が進みキッチンに置きやすくなったのもポイントだ。通常オーブンは16~30リットルと大容量タイプが多いが、小型コンベクションオーブンは庫内容量が小さい。トースター機能など1台数役をこなす製品が多いのも人気の理由だ。
売れ筋で代表的な製品が、「レコルト エアーオーブン」(ウィナーズ)と「低温コンベクションオーブンTSF601」(テスコム電機)だ。レコルト エアオーブンは、引き出し式のトレイの中に食材を入れて使う。トレイにセットできるオプションが充実しており、付属の5本の串で焼き鳥や串焼きなどを作れる「専用2ウェイラック(串付き)」や、煮物など汁気のある料理も作れる「専用インナーポット」を別売りで用意する。
レコルト エアーオーブン(ウィナーズ)
コンパクトでパワフル、メンテも楽々
低温コンベクションオーブンTSF601は、長時間続けて温風を循環させるモードがあり、ビーフジャーキーやドライフルーツなどの食品乾燥にも活用できる点に特長がある。
低温コンベクションオーブンTSF601(テスコム電機)
低温調理にも対応、トースト4枚もOK
また、35~90度(最長12時間)に対応する低温調理機能を備えるのもこの製品ならでは。一般的な低温調理は、ビニールバッグに調味した食材を入れて空気を抜き、温水の入った大きな鍋に沈めて調理する。ところがこの製品では、ジップロックのコンテナー(90度以下)とフリーザーバッグ(70度以下)に食材を入れるだけでOK。手軽に低温調理に挑戦できるわけだ。35度から設定できるので、ヨーグルトなどの発酵食品作りも可能だ。最大4枚のトーストも同時に焼くこともできる。
ここ数年オーブントースターも劇的に進化している。スチームを発生させて水分と香りを閉じ込めてふっくら仕上げる「BALMUDA The Toaster」(バルミューダ)や、1枚のパンを挟み込み密閉シールで熱を閉じ込めて焼き上げる「三菱ブレッドオーブン」(三菱電機)などが代表的だ。
背景にあるのが、高級食パンブームだ。そんな中、パナソニックが2021年2月に投入する新製品は、買ってすぐに食べない分はおいしさを保つために冷凍保存する消費者が増えていることを狙ったもの。厚切り志向が強まっており、専用モードも用意する。同社独自のヒーター技術とヒーターを絶妙に制御するインテリジェント機能により、外はカリッと、中はふんわり熱々に仕上げられるのがポイントだ。
Bistro NT-D700(パナソニック)
冷凍厚切りトースト、中まで熱々
(写真/文田信基=fort、菊池くらげ)
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