飲食店内のモバイルオーダーPOS(販売時点情報管理)を提供するdinii(以下ダイニー、東京・港)のシステム導入店舗数が拡大している。同社は、単にITツールの開発・提供だけではなく、「“飲食”をもっと楽しくおもしろく」をミッションに掲げる。2018年創業のスタートアップが目指す、飲食業界の将来の姿とは。

LINE連携のモバイルオーダーシステム「ダイニー」のイメージ
LINE連係のモバイルオーダーシステム「ダイニー」のイメージ

 飲食店の席にあるQRコードを読み取り、来店客のスマートフォンから注文できる店内モバイルオーダーが、注目を集めている。一般社団法人レストランテック協会代表理事の山澤修平氏によると、店員を待たずに注文できること、非接触ニーズに応えられること、店員の負荷低減などが、その要因だ。実際に従来のPOSメーカーがオプションとしてモバイルオーダー機能をリリースしたり、異業種のテック企業が参入したりと、モバイルオーダーの市場は盛り上がっている。

 2018年に創業したダイニーもその1社。同社は、「顧客との接点をいかに楽しくつくるか」をテーマに、顧客情報を活用して接客やマーケティングに生かせる「ダイニー」というモバイルオーダーPOS(販売時点情報管理)システムを提供している。

 ダイニーは20年のローンチ以来、串カツ田中ホールディングス、イデアコーポレーション(神戸市)をはじめ、導入店舗数は全国へ広がっており、250万人以上(22年11月1日現在)のユーザーが利用している。ダイニーのサービスは、飲食の知見を積極的に取り入れて、具体的に次の2つの大きな特徴を持っている。

LINE連係で顧客一人ひとりにアプローチ

 1つ目は、LINE連係を前提としていることだ。来店した顧客は専用のアプリをダウンロードしなくても、自分のLINEで飲食店を友だち追加し、QRコードを読み取るだけで注文から会計までシームレスな注文体験が可能になる。

 それと同時に、店舗側はPOS販売データとLINEから取得できる顧客情報を自動連係することで、「誰が」「いつ」「何を」注文したかといった利用履歴データを取得。これを分析することで、顧客一人ひとりの好みに合わせた適切なアプローチが可能になる。

ダイニーCRMのイメージ
ダイニーCRMのイメージ

 こうしたCRM(顧客情報管理)機能により、これまで取得しにくかった顧客情報が活用できるようになった。例えば、「リピーター」なのか「初来店客」なのかを正確に捉え、アプローチを変えることで、リピーターを増やすことが可能になる。

 さらに、新規客を連れてきてくれたリピーター(アンバサダーと呼ぶ)の人数も把握できるなど、顧客ごとの来店回数・頻度の見える化を実現できる。それにより、店舗からのパーソナライズされたクーポンやメッセージで飲食店との心理的な距離を近づけ、新たな顧客体験をつくれるという。

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