パッケージデザインはマーケティング活動における重要な要素だ。パッケージデザインの制作・評価に携わって20年の著者が、経営者やマーケター、ブランド担当者が知っておくべきパッケージデザインの鉄則をまとめた新刊『売れるパッケージデザイン 150の鉄則』(小川 亮著、日経BP)から、特に重要なポイントを抽出した連載の第9回。

パッケージデザインにはブランド要素が集約されている

 ブランドとは、顧客の頭の中に存在するものであり、味や使い勝手、売る人やサービスをしてくれる人の服装や笑顔、CM、ポスター、WEBサイト、顧客同士の印象など、様々なイメージや情報から成り立っています。こういったイメージは、商品の名前やロゴ、スローガン、キャラクターなど、基本的なシンボルに集約されて記憶されていきます。いわばこういった基本的なシンボルが記憶のフックとなって、ブランドのイメージが膨らんでいくのです。

 強いブランドは顧客に対して、強い絆をつくり続けます。その結果、顧客は、単に安いものを買うのではなく、その企業や商品のブランドを信頼し、長い間愛用してくれるのです。

 パッケージデザインは、ブランドの基本要素が多数集約された大切なブランド資産と考えられます。実際にパッケージにはネーミング、ロゴ、スローガン、色など、基本的なブランド要素の多くが含まれています。また、パッケージデザインは、接触頻度が高い点でも重要です。その商品を購入した人のうち、その商品の広告を見たことのない人はいても、パッケージデザインを見たことのない人は、いないでしょう。

 パッケージデザインは、購入時から使用時、廃棄に至るまで、常に購入者の近くにいるブランド要素であり、実際に触れるという点でも、顧客の五感に響く、大切なブランド要素なのです。 パッケージデザインは、ブランドの基本シンボルが最も凝縮され、かつ接触頻度の高いブランド要素であり、パッケージデザインをどう扱っていくのかは、ブランドマネジメントという視点においても大変重要な鍵を握っているのです。

ブランドとパッケージデザインの関係
ブランドとパッケージデザインの関係
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