「未来の市場をつくる100社」特集の第7回は、離れた空間をつなぎ、人と人とを結びつける新機軸サービスを生み出す2社を取り上げる。ミラー型フィットネスデバイスを開発するミラーフィット(東京・渋谷)と、超大型スクリーンで等身大コミュニケーションができるtonari(東京・渋谷)だ。

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コロナ禍でテレワークが当たり前の世界へ。距離の制約を取り払う技術革新が進む (写真/Shutterstock)
コロナ禍でテレワークが当たり前の世界へ。距離の制約を取り払う技術革新が進む (写真/Shutterstock)

 コロナ禍で強いられ、可能性が見えたオフラインベースからオンラインベースの生活への転換。テレワークが一般的になり、オンライン学習も広がりつつある。この新しい生活やビジネスの基盤となる新たな仕組みづくりが加速している。中でも、物理的に離れてしまった距離を超えて人と人をつなげるデバイスは、まさにこれから巨大な市場になるはずだ。

 そんな中、フィットネス業界で斬新なデバイスを投入しているのが、ミラーフィット(東京・渋谷)だ。

 ミラーフィットが開発したのは、専用のミラーデバイスと専用アプリを通じて、自宅に居ながらオンラインフィットネスを受けられる体験型サービス「MIRROR FIT.(ミラーフィット)」。高さ140×幅56センチメートルほどの巨大な姿見に大型のディスプレーを搭載し、オンラインで映像が配信される仕組みだ(上記サイズは現時点のものであり、変更になる可能性がある)。米国ではMirrorが2018年9月に同様のIoTミラーを使ったオンラインフィットネスを本格スタートして人気を集めており、その“日本版”ともいえるサービスがついに登場した。

ミラーフィットのCEO(最高経営責任者)、黄 皓氏。コロナ禍の中、「ジムの利用者とインストラクターをつなぐ新しい仕組みをつくりたい」と、既にスマートミラーの事業化を進めていた他の共同創業者陣と共に2020年7月、同社を設立。黄氏はパーソナルトレーニングやセルフエステなどを組み合わせたサービス「KARADA BESTA」を展開するRILISIST(東京・渋谷)の代表も務める。掲載写真にあるデバイスは高さ168センチのデモ用モデル
ミラーフィットのCEO(最高経営責任者)、黄 皓氏。コロナ禍の中、「ジムの利用者とインストラクターをつなぐ新しい仕組みをつくりたい」と、既にスマートミラーの事業化を進めていた他の共同創業者陣と共に2020年7月、同社を設立。黄氏はパーソナルトレーニングやセルフエステなどを組み合わせたサービス「KARADA BESTA」を展開するRILISIST(東京・渋谷)の代表も務める。掲載写真にあるデバイスは高さ168センチのデモ用モデル
ヨガマット1枚分ほどのスペースがあれば楽しめる(デバイスは高さ168センチのデモ用モデル)。画面はタッチ操作が可能で、ワークアウト中でも簡単に操作できる
ヨガマット1枚分ほどのスペースがあれば楽しめる(デバイスは高さ168センチのデモ用モデル)。画面はタッチ操作が可能で、ワークアウト中でも簡単に操作できる
社名:ミラーフィット(東京・渋谷)
設立:2020年7月
製品/サービス:MIRROR FIT.
市場:オンラインミラーフィットネス

 利用者はVOD(ビデオ・オン・デマンド)で、自宅でいつでもワークアウトを受けられる。筋トレやヨガ、ピラティス、ボクシングエクササイズなど、プロのインストラクターや著名なパフォーマーらによるフィットネスプログラムは10種類以上、総コンテンツ数は200以上にも上る。所要時間は5分〜60分と幅広く、隙間時間に簡単にできたり、じっくり取り組めたりと、自由に選べるのもメリット。映像を見ながら同時に自分の動きを鏡でチェックできるため、視線の移動が少なくて済む。さながらジムにいるような感覚だった。「自宅であれば、好きな時間に、服装も気にせずに取り組める。ジムに行くのが面倒という人でも、運動を習慣化するきっかけになるように意識している」と、ミラーフィットCEO(最高経営責任者)の黄 皓氏は話す。

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