
あらゆる業種、職種におけるAI(人工知能)の活用が進んだ。特集「未来の市場をつくる100社」でもAIを扱う企業は多い。エクサウィザーズ(東京・港)は超高齢化社会の課題解決を目指すAI開発の企業。国内の65歳以上が約3割を占め、労働力不足の懸念が広がる中、多彩なサービスでAIの可能性を探る。
介護や医療、金融、HR(人事)、ロボットの制御。AI(人工知能)開発のエクサウィザーズ(東京・港)が取り組む分野を並べると脈絡がないようにも見える。「いろいろやってるな、と見えるかもしれないが、超高齢化社会の課題を解決するという1本の筋を通している」と話すのは、同社の石山洸社長だ。
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石山氏はリクルートホールディングス出身。2015年にリクルートのAI研究所を責任者として立ち上げ、17年春にAIによる介護に取り組む静岡大学発のベンチャーに転じる。その後、深層学習のエンジニアを抱える企業と経営統合し、17年10月に新会社のエクサウィザーズの社長となった。
「超高齢化社会の課題」というキーワードは、金融関連の取り組みにも表れている。例えば、20年7月に福岡銀行と発表した口座見守りサービス。「銀行口座から急に100万円を引き出している」などの異常をAIが検知し、家族に伝えることで、オレオレ詐欺や架空請求の被害抑止や認知症の兆候を発見に役立てるというものだ。
設立:2017年10月(前身のエクサインテリジェンスは2016年2月)
製品/サービス:ミルキューブ、AnyInc(エニーインク)など
市場:超高齢化社会AIソリューション

高齢化と並行して広がる少子化や子育てに関連するAIも手掛ける。20年7月発表の山口大学との産学連携では、不妊症の解決に役立てる受精卵のAI解析、画像解析を使った虐待が疑われる児童の支援システムなどを開発する。「さまざまな社会課題に向き合うことで、受精卵から認知症まで、人生すべてのステージをカバーするようになった」と石山氏は語る。
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