
日経クロストレンドでは牛丼チェーン、コンビニ、ドラッグストア、アパレルなど10業種の主要40チェーンの月次売り上げデータが分かるビジュアライズを作成。2022年7月の月次データを更新した。ファミリーレストランのカテゴリーでは、ロイヤルホストの既存店売上高が新型コロナウイルス感染拡大前の2019年の水準を上回る一方、すかいらーくグループは新型コロナ禍前比80%台が続いている。

新型コロナウイルス禍の影響を最も受けた業界の1つである外食だが、ファミリーレストラン大手の既存店売上高は前年同月比2桁パーセント増の伸びが続き、回復に向かっている。22年7月は、サイゼリヤが124.0%、ロイヤルホールディングスのロイヤルホストが121.6%、すかいらーくグループが118.0%だった。
前年同月比120%前後と3社の数字は似通っているものの、その回復ぶりには温度差がある。ロイヤルホストの22年7月は新型コロナ禍前の19年7月比101.8%。22年6月は19年6月比99.0%、22年5月は19年5月比105.4%と、新型コロナ禍前の水準を超えてきている。
一方、すかいらーくの22年7月は19年7月比88.1%。22年6月は19年6月比81.8%、22年5月は19年5月比81.7%と、新型コロナ禍前の80%台にとどまっている。
こうした状況からすかいらーくは、22年8月12日に発表した22年度上半期決算で、「ガスト」を中心に不採算店約100店舗を削減する方針を打ち出した。同社は19年12月に3258店あった店舗数を、22年7月時点で3085店まで170店舗以上削減しているが、ここからさらに100店舗閉鎖することになる。

ロイヤルホストは、21年12月に231店あった店舗数を、22年6月には220店に絞った。また「てんや」などを含めたグループ店舗全体でも、2019年12月の564店から22年6月には463店と、2年半で100店舗以上、約18%閉鎖している。すかいらーくは100店舗閉鎖して2985店になったとしても、19年12月の店舗数比で8.4%減だ。いち早く不採算店の統廃合に着手することが、既存店売上高の回復につながる。
なお、22年6月の全10業種主要40チェーンの月次売上推移は以下から確認できる。
新型コロナウイルス禍の緊急事態宣言で営業縮小や休業があった場合、その後反動で数字が大きく出るケースがある。例えば22年7月が前年同月比120%だった場合、どう考えればよいか。一見すると「V字回復」だが、20年7月が前年同月比80%、21年7月が同100%だった場合は、0.8×1.0×1.2=0.96で、19年7月に比べて96%の水準にとどまっていることになる。このような計算で“回復度”を見る必要がある。
日経クロストレンドでは、毎月このデータを更新して公開していく予定だ。どの業種のどの店舗が売り上げを伸ばしているのか、あるいは逆の状態にあるのか。そのトレンドをつかむためのヒントとしてお役立ていただきたい。
<ツールの操作方法>
●業種の選択
業種の一覧から業種名を選択することで、下のグラフが切り替わり、業種別の主要各チェーンの月次売り上げ推移のデータが分かる。
●絞り込み
グラフ上部のチェーン名を押すことで、そのチェーンのグラフ表示をOFFにして、表示するグラフを絞り込むことができる。
●グラフの切り替え
切り替えボタンを押すことで、折れ線グラフか、表形式での売り上げデータ一覧か表示を切り替えることができる。
●対象企業ブランド
【ファストフード】マクドナルド、モスバーガー、ケンタッキーフライドチキン
【牛丼チェーン】吉野家、すき家、松屋
【回転ずし】スシロー、くら寿司、かっぱ寿司
【ファミリーレストラン】すかいらーくグループ、ロイヤルホスト、サイゼリヤ
【ドラッグストア】ウエルシア、ツルハ、コスモス薬品、サンドラッグ、マツモトキヨシ、スギ、ココカラファイン、クリエイトSD、クスリのアオキ、カワチ薬品
【コンビニエンスストア】セブン-イレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソン
【紳士服】青山商事、AOKI、はるやま、コナカ
【アパレル】ユニクロ、無印良品、しまむら、ワークマン
【家具・ホームセンター】ニトリ、DCM、コメリ、コーナン
【100円ショップ】セリア、キャンドゥ、ワッツ
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