日経クロストレンドではファストフード、コンビニ、ドラッグストア、アパレルなど10業種の主要40社の月次売り上げデータが分かるビジュアライズを作成。2022年5月の月次データを更新した。紳士服大手4社が、22年4月、5月と2カ月連続で既存店売上高前年同月比プラスで推移し、復調の兆しが見える。

AOKIが頭一つリード

 職場における“スーツ離れ”に加え、新型コロナ禍のテレワークによる通勤機会の減少で苦戦を強いられてきた紳士服業界が、ここにきて底打ち、回復に向かっている。大手各社の既存店売上高は、青山商事、AOKIホールディングス(以下、AOKI)、コナカの3社が2021年10月以降8カ月連続で前年比プラス。はるやまホールディングス(以下、はるやま)も、22年4月が前年比115.6、5月が同128.8と復調の途上にある。

 もっとも復調のペースは一律ではない。AOKIはコロナ禍前の19年4~5月の既存店売上高の水準にほぼ戻しているが、他3社はまだ8割前後にとどまる。そのため企業業績は、非アパレル事業の規模で明暗が分かれた。

 AOKIの22年3月期決算は、売上高が前期比8.2%増の1549億円。パジャマのリラックス感をスーツに取り入れた「パジャマスーツ」のヒットなどで、アパレル事業の売上高は前年比3.8%増とプラスだった。AOKIの増収源となったのは、インターネットカフェ「快活CLUB」、カラオケ店「コート・ダジュール」、24時間営業のフィットネスジム「FiT24」が属するエンターテインメント事業だ。同事業の売上高は前期比17.5%増の569億円と、全体の4割近くに上る。

 青山商事も、100円ショップのフランチャイズを手掛ける雑貨販売事業やカード事業など非アパレル部門の強化を図っている。22年3月期の売上高に占める非アパレルの割合は約3割に上り、営業利益の大半はカード事業が稼いだ格好だ。

 一方、非アパレル部門をほとんど持たないコナカとはるやまは苦戦が続く。

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