withコロナ時代の消費者の変容を捉えたビジネスの新潮流を探るため、ベンチャーキャピタル(VC)を訪ねる本連載。第3回は、米国やアジアなどグローバルでベンチャー支援を行う米ペガサス・テック・ベンチャーズのアニス・ウッザマンCEO(最高経営責任者)に聞いた。

アニス・ウッザマン氏
ペガサス・テック・ベンチャーズパートナー兼CEO
”Made in Japan”の高い技術力に憧れ、高校卒業後に日本の文部科学省から奨学金を受けて来日。日本語を学びつつ、東京工業大学工学部開発システム工学科卒業。その後、米オクラホマ州立大学工学部電気情報工学専攻にて修士、東京都立大学工学部情報通信学科にて博士を取得。大学卒業後は米IBMなどで、技術開発、事業開発、戦略的投資を主導。自身も小売業と技術分野での起業経験があり、2011年シリコンバレーにてベンチャーキャピタルを設立。次世代を担う起業家や学生に会社運営、資金調達およびイグジット戦略の指導、サポートも行う

―― コロナ禍において、ECが大きく伸長しています。EC化で先行している米国での変化は。

アニス・ウッザマン氏(以下、ウッザマン氏) 日本同様、フードデリバリー市場が拡大しています。米Uber Technologies(ウーバー・テクノロジーズ)は2020年7月、同業である米Postmates(ポストメイツ)を26億5000万ドルで買収することに合意。既に上場している米Grubhub(グラブハブ)に続き、急成長中の米DoorDash(ドアダッシュ)も20年12月に上場を予定するなど、デリバリー界のGAFA(Google、Amazon、Facebook、Appleの頭文字を取ったもの)、つまりデリバリープラットフォームの覇者を目指す動きが加速しています。各社、提携企業の拡大を進めて商品ラインアップを拡充するのに加え、AI(人工知能)による配送スピードの向上や利用者それぞれへのパーソナライゼーションの精度アップなど、サービス競争も激化しています。ドアダッシュは現状では米国限定の展開ですが、上場して資金を集めた後は海外展開の可能性も見えてきます。

 「非接触」もデリバリーで重要視されているキーワードです。例えば、米Instacart(インスタカート)は、元アマゾンのエンジニアが設立した食料品・生鮮品などの宅配代行アプリ。商品をアプリでオーダーすると、同サービスに登録しているスタッフが買い物に行き、最短1時間以内から家へ届けてくれる仕組みですが、コロナ禍を受けて導入した新サービス「Leave at My Door Delivery」でさらに利用者を拡大しています。新サービスは、利用者が指定した時間に代行スタッフが購入してきた商品を自宅ドア前に置く、いわゆる置き配です。ECの置き配が一般化している米国でも、従来は生鮮品などの食料品は手渡しが基本でしたが、人との接触を回避したいというニーズを捉え、全国へ広がりました。

米インスタカートは2012年創業。北米を中心に展開している。コロナ禍においても大規模な資金調達を実施
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クローガーやコストコといった大手や中小多数のスーパーマーケットと連携。アプリで商品を選択するだけで、「パーソナルショッパー」と呼ばれるスタッフが代行して買い物をし、届けてくれる
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