ウィズコロナによって、生活者の意識や行動は変容しつつある。そこで、ビジネスの新潮流を探るべく、ベンチャーキャピタル(VC)を訪ねた。第1回は、IT関連を中心に、国内外の有望なスタートアップに投資するサイバーエージェント・キャピタル(東京・渋谷)。社長の近藤裕文氏に、注目しているテーマや企業を聞いた。

近藤 裕文 氏
サイバーエージェント・キャピタル社長
2003年、サイバーエージェントに入社。デジタルマーケティングなどコンサルティング業務に従事。新規事業の立ち上げや博報堂やアイスタイルとのジョイントベンチャーの事業責任者を経験。13年にサイバーエージェント・ベンチャーズ(現サイバーエージェント・キャピタル)へ取締役として参画。18年10月にサイバーエージェント・キャピタル社長へ就任

—— コロナ禍においても、テクノロジーを駆使し、果敢に挑むスタートアップが目立っています。コロナショックにより大きく変わった業界は。

近藤裕文氏(以下、近藤氏) 特に加速したのは、ECの浸透と細分化です。消費者側から見れば、ECであれば人と接触せず、外出の必要もないため、ステイホームの完結型の消費が、利便性とセットになって著しく伸びました。

 「Amazon」など一般的な大手ECに加え、当初は「メルカリ」のようなC2Cも伸長しましたが、しばらくたつと生活者は、よりステイホームを豊かにするための商品を求めるようになりました。そこで、注目を集めたのが、作り手のビジョン、思い、製作の過程などがビジュアルや文章で物語として表現され、貴重な逸品を提供する、いわゆる「ストーリーコマース」の手法を使ったECです。

 その代表格が、MONOCO(モノコ、東京・港)が展開する「MONOCO」。一品一品、スタッフが使用感や商品の特徴などを、写真や動画、文章で丁寧に紹介しています。他ではなかなか出合えない逸品もあります。例えば、たき火のような炎のゆらめきを楽しめる卓上オイルランプなど、まさに家での余暇時間をぜいたくに過ごせる商品もヒットしました。こだわりの商品に特化する細分化が奏功し、同サービスは急伸しています。同じ文脈で、全国のご当地の逸品を集めたニューワールド(東京・港)の「CRAFT STORE」も大きく伸長。旅行ができなくなり、地方の陶器市や名店に行く機会がなくなった代わりとして、利用が一気に進みました。

MONOCOの商品紹介は、画一的な説明ではなく、ストーリーや実際の使用感などがスタッフの言葉で掲載され、つい読み込んでしまう楽しさがある
MONOCOの商品紹介は、画一的な説明ではなく、ストーリーや実際の使用感などがスタッフの言葉で掲載され、つい読み込んでしまう楽しさがある
日本のものづくりに特化したオンラインショップ「CRAFT STORE」。新型コロナウイルスの感染拡大の影響による陶器市の中止などを受け、オンラインの陶器市、「CRAFT陶器市」を開催
日本のものづくりに特化したオンラインショップ「CRAFT STORE」。新型コロナウイルスの感染拡大の影響による陶器市の中止などを受け、オンラインの陶器市、「CRAFT陶器市」を開催
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