2022年7月20日に実施した日経クロストレンド・カレッジ「『売らない店』は定着するか? b8ta、高島屋が激論」。放映後にb8ta、高島屋の「売らない店」のキーパーソンへ多くの質問が寄せられました。b8taを利用する企業の「成功の明暗を分けるポイント」、高島屋がこれまで手掛けてきた催事と同社の売らない店「Meetz STORE(ミーツ・ストア)」の違い、売らない店の生存戦略など、余すことなく答えてもらった両氏からの回答を紹介します。(※イベントリポートは、以下の関連記事からご覧ください)
視聴者からの質問に両氏が返答
放映終了後、視聴者から寄せられた質問に対して、北川氏、川口氏から回答をいただきました。
【質問①】
今後、ストーリーを感じるキュレーション、シーズナリティー(季節ごとの変化)やSDGs(持続可能な開発目標)などの下、各店舗の客層にあわせて出店ブランドを集めて展示するなどのアプローチでのお考えはありますか? 興味のあるキュレーション内で知らなかったものや取り組みに出合えた方がより滞在時間も伸び、こちら(来店客)も冗舌になるうえ、よりセレンディピティー(思いがけない幸運な出来事)を感じ、“エモい”リテールテインメントに近づくのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。また定性情報も集まりやすいのではないかと感じました。
<北川氏の回答>
b8taでは既に、テーマごとやシーズナリティーに沿ったイベントは実施しております。おっしゃる通り、同じカテゴリーがそろうことでより深い体験をお楽しみいただける可能性も高まると思いますが、現状では全店舗をそのようなテーマを持って運営していく予定はございません。
<川口氏の回答>
ご提案ありがとうございます。現在のMeetz STOREには、各キュレーターの商品分野はあるものの、一部シーズンプロモーションを展開している以外は、MD(マーチャンダイジング)のストーリー性やテーマを設けておりません。ご指摘いただいている通り、店舗別の顧客ターゲットを想定して、そのターゲットに合わせたテーマで商品・ブランドが集積できれば、来店顧客と商品の専門性とバリエーションがマッチングされます。その結果、滞在時間が伸びるだけでなく、偶然の出合いの演出もできるため、出展者が欲しい定性情報データを分析してフィードバックができるなど、利点が多いと再認識できました。22年9月以降の展開において、アドバイスをいただきましたアプローチを具体的に社内検討のうえ、一部からでも実施することを検討します。
【質問②】
b8taが4店舗目のレイクタウンへの出店を決断された理由をお聞きしたいです。海外への流れ、それとも郊外ファミリー層へのトライアルでしょうか? また、都心部にはない郊外型ショッピングセンターにおけるビジネスの可能性(自社、出品企業目線それぞれ)として現時点での反応を踏まえ手ごたえなどを教えていただきたいです。
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