エグゼクティブサーチ会社「ハイドリック&ストラグルズ」日本オフィスで活躍する渡辺紀子氏が、21世紀を勝ち抜く「異能のキャリア」を紹介するシリーズ。第12回は、アーサー・D・リトルやA.T.カーニー、イオングループ傘下のカジタクの執行役員などを経て、現在はUCCホールディングス執行役員CSO(グループ最高戦略責任者)である里見陵氏だ。
UCCホールディングス執行役員CSO(グループ最高戦略責任者)
渡辺さんはそもそも御社の副社長と懇意とか?
「ええ。副社長と渡辺さんには、ミーティングの席で時々ご一緒します。(渡辺さんについては)人を見抜くとはこういうことかと感心しますね。副社長からは渡辺さんとの朝食会の話をよく聞きます。その時点での世の中の動きとか、それぞれの興味を土台にディスカッションするんですが、ものすごく細かいところまで見ておられる」
そういう場面が刺激になるんでしょうね。NewsPicks プロピッカーもされてるんですか?
「ええ、ビジネス関連だけでなく、中高と部活で続けてきたバスケットボールについての記事なども紹介しています」
にしても、多彩な職歴です。外資系コンサルからキャリアをスタートされたのはなぜですか?
「神戸大学に入って1~2年のうちはあまりに遊んでまして、単位もほとんど取ってなくて(笑)。3年になってゼミに入り、そこで180度変わって勉強し始めたんです。忽那憲治先生というとても熱心な先生がいらして、多大な影響を受けました。今は産業革新機構の取締役もされていますが、先生が最初に持ったゼミの1期生です。当時はまだ准教授でした。今でもお付き合いがあるんです」
まさしく恩師ですね(笑)。ベンチャーや中小企業のイノベーションが専門とか?
「実業とのつながりを大事にされる方で、ベンチャーや金融機関などの方との接点を学生に持たせ、モチベーションを上げようと、いつもゼミに呼んでおられました。それで連れてきたコンサルタントがベインの方で、3年の夏に『サマージョブ』というインターンをやると伺い、1週間で10万円のバイト代も出るので、受けてみたらたまたま受かった。それがコンサルティングを知ったきっかけです」
自信と謙虚さが重要
同じコンサルですが、アーサー・D・リトル(以下ADL)へはまたどうして?
「それでこういう世界があると知り、他の会社も見てみようと思って数社受けた結果、ADLからオファーが来て、『2週間で回答せよ』と言われ、純粋だったのですぐ応じてしまいました(笑)。インターンのときに東京の学生は進んでいるなと思わされました。これは冗談ではないですが、『マックがさ』なんて盛んに言っていて、なんでマクド(ナルド)をそんな話題にするのかと思っていたら、マッキンゼーのことだったんですね(笑)」
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