エグゼクティブサーチ会社「ハイドリック&ストラグルズ」日本オフィスで活躍する渡辺紀子氏が、21世紀を勝ち抜く「異能のキャリア」を紹介するシリーズ。第7回に登場するのはデロイトトーマツ、東ハト、産業革新機構、ヤンマーグループのオランダ法人を経て、2020年にヤンマーホールディングス初の女性取締役に就いた長田志織氏だ。
ヤンマーホールディングス取締役CSO(チーフ・ストラテジー・オフィサー)
長田さんはスゴい人。創業オーナー以外で、日本人女性で大企業社長になる最初の人じゃないかしら。デロイトトーマツからファンド傘下の東ハトの経営に参画と元からピカピカだったけれど、ヤンマーという“男の世界”で事業規模250億円という海外部隊を任された。最初にお声がけした際にも、「私、プロ経営者になりますから」と堂々とおっしゃった。そんなこと言う人、男性でも珍しい。まだ42歳ととてつもなく若いのにビジネスウーマンとして仕上がっている。心から尊敬しています。
渡辺さんと長田さんのなれ初めは?
「7年前くらいに一度お会いしました。そのときは一瞬のことで、覚えていてくださっただけで光栄です(笑)。年間2000人、1日30分単位で16人もの候補者にお会いになるんでしょ。もう集中力がすごいなと思えて。ともかくエネルギーがおありで、渡辺さんとお会いすると熱量って大事だなって思わされます」
長田さんは好対照で、いわゆるバリキャリのオーラがいい意味で出ていませんね。でもご経歴は確かに華やか……。大卒後、デロイトトーマツに入社されたきっかけは?
「大学時代は官僚の道も考え、国家公務員試験の勉強もしてたんです。でも、本当にやりたいことだったかなという思いに大学3年くらいでとらわれてしまい、では普通に会社に就職しようかなと。当時の民間の会社で女性が差別されない職場ってなんだっけと考え、コンサルティング業界なら能力本位だろうと踏んだんです。でも、もともとサークルの1つ上の先輩が行かれてたんで、先輩が選んだ会社だから大丈夫だろう、といったぐらいの安直な感じでした。だから入社当時は、他のコンサルティング会社の名前とかも全然知りませんでした(笑)」
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