多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)による変革を目指している。コストや労力をかけても、デジタル化がうまくいかないという企業は何が問題なのか。多数の事業開発の経験を持つコンサルタント、岡村直人氏は、DXの推進に苦しむ企業に3つの共通点があるという。
本連載では、紹介するビジネス手法について出典や論拠を明確に示しながら執筆することを心がけていますが、今回は筆者の体感ベースでのお話です。
私は2020年だけでも10社以上のDX(デジタルトランスフォーメーション)に関わりました。売り上げ規模は数十億~数千億円以上とさまざまで、業種もIT関係・自動車・建設・不動産・飲食など多岐にわたります。支援する領域も、経営相談や事業戦略といった上流からはじまり、アプリ開発、基幹システム、マーケティング領域、採用、人事制度設計など、まさに何でもアリです。
このような多くの経験を得ることで、DXに苦しむ、もしくは進まない企業には共通点がありそうだと感じるようになってきました。
具体的には……
- (1)2000年以前にビジネスの「型」が完成している企業
- (2)規模の大きな企業
- (3)オーナー (支配的株主) 不在の企業
この条件に全て当てはまるケースでは、DXが「単なるIT技術を使った部分最適」に陥りがちだ、という結論に至ったのです。顧客視点でのサービス全体最適や、全社的な改革を進めることは圧倒的に難しくなります。
その理由は次のように分析しています。
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