2020年はコロナ禍もあってテレワークが普及。出社する機会が大幅に減った。だが、21年は打ち合わせや雑談が自在にできる理想の「仮想オフィス」への出社が当たり前になる。日経トレンディと日経クロストレンドが「2021年ヒット予測ランキング」の13位に選出した「バーチャル出社」が時代のキーワードになりそうだ。

※日経トレンディ2020年12月号の記事を再構成

米国VirBELAが開発した共同作業用の仮想空間システム「VirBELA Team Suites」。既にスタンフォード大学などで使われている
米国VirBELAが開発した共同作業用の仮想空間システム「VirBELA Team Suites」。既にスタンフォード大学などで使われている

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【13位】「バーチャル出社」

ビジネス用チャットツールが仮想空間化
CGでできたオフィスを動き回るアバターで雑談も可能

 始業時間にパソコンなどを開き、画面上で自分のキャラクターを机に座らせてから隣のキャラにあいさつ──。そんな「バーチャル出社」が、2021年には当たり前になる。テレワークの急速な普及に合わせて、オフィス代わりに使える仮想オフィスの開発が急ピッチで進んでいるのだ。現在よく使われるのが、TeamsやSlackなどのビジネス用チャットツールや、Zoomなどのビデオ会議システム。会議や相談、情報共有などが、思いのほかスムーズだと感じた人は多いだろう。

 その一方で、テレワークが恒常化すると「深刻なコミュニケーションの問題が出てくる」という意見があるのも事実。よく聞こえるのが、「社員の様子が分かりにくい」「雑談ができなくなった」「孤独感を感じる」といった声だ。こうした弱点を解消し、リアルなオフィスの良いところを取り込めるのがバーチャル出社システムだ。

 代表的なのが米国の「VirBELA」。豪華なオフィスを模したCGの世界で、社員の分身であるアバターが動き回る。自分のアバターを同僚アバターの近くに移動すると、こちらの声が相手に聞こえる仕組みだ。「アバターが休憩スペースにいるから今は忙しくないはず」といったことが一目で分かり、コミュニケーションがとりやすい。VirBELAの仮想オフィスには、個室のオフィスだけでなく、会議室や講堂、展示会場などの設備もあり、実際のオフィスより豪華にもできる。同社では、実際に全社員が仮想空間に勤務している。既にスタンフォード大学など導入実績もあり、日本へも21年までには参入予定。大企業などで広まりそうだ。

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