
飛沫の拡散抑制とコミュニケーションの両立が可能なアイテムとして期待されているのが「透明マスク」だ。2021年、接客業はもちろん一般層も含めた一大ジャンルに成長すると見て、日経トレンディと日経クロストレンドは「2021年ヒット予測ランキング」の27位に選出した。
※日経トレンディ2020年12月号の記事を再構成
【27位】「透明マスク」
笑顔が映える感染対策
表情が見える! コロナ時代の新定番
マスクをしているのに白い歯がこぼれるような笑顔が伝わる――。マスク着用がすっかり“義務”となった日常生活のデメリットを解消できるのが「透明マスク」だ。
口元を透明なものでカバーするという需要は多く、マウスシールドは今年に入って100万個超を販売したメーカーもあるほど。しかし、開放型のため飛沫の漏れを指摘されることもあった。そこで新たに開発されたのが特殊な素材を採用した「空気が通る透明マスク」(SARA)だ。「通気性を持ちながらも飛沫などの水分を通さない半透明素材をあらゆる分野から探し出した」(SARAの迫田英敏氏)。アパレル業界ではほぼ使われたことのないユニークな素材で裁断や縫製加工に苦労したが、半透明ながらも口元全体を覆う新しいタイプのマスクが完成。ウイルスなどの微細なものは通過するため、あくまでも飛沫の拡散防止が主な用途だ。
10月の発売開始と同時に注文が殺到。百貨店や飲食、観光などの接客業はもちろん、保育園や介護施設などからの問い合わせも多いようだ。
マスク最大手のユニ・チャームも透明マスクの発売を2021年に予定している。さらに耳ひものない理美容室向けなどマスクの不便さを補う商品も続々登場。笑顔が見える透明マスクは、接客業や営業職はもちろん、一般層も含めた一大ジャンルに成長しそうだ。