日経トレンディと日経クロストレンドが選んだ「2021年ヒット予測ランキング」29位は「NEOカレーパン」。専門店が続々オープンしているのに加え、テレワークの普及でワンハンドで手軽に食べられるものが求められていることもカレーパンブームを後押ししそうだ。

※日経トレンディ2020年12月号の記事を再構成

札幌市にオープンした「カレーパンだ。」
札幌市にオープンした「カレーパンだ。」

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【29位】「NEOカレーパン」

ネクスト行列グルメ
肉ドーン&揚げたてに夢中になる新星ワンハンドフード

 出来たての「カレーパン」を頬張りながら街歩き――。そんなカップルや親子連れを目にする機会が2021年は増えそうだ。「考えた人すごいわ」などの高級食パン店をプロデュースするジャパンベーカリーマーケティング代表取締役の岸本拓也氏らキーパーソンが、こぞってカレーパンブームを仕掛ける。

岸本拓也氏。「カレーパンだ。」を今後50店舗展開し、移動販売も視野に入れているという
岸本拓也氏。「カレーパンだ。」を今後50店舗展開し、移動販売も視野に入れているという

 岸本氏が札幌市内に20年8月にオープンさせた「カレーパンだ。」には、開店前から連日行列ができる。お目当ては、1個280円(税別)の牛肉ステーキがたっぷり入ったボリューム満点のカレーパン。揚げる様子をライブで見せる演出で熱々ぶりをアピールし、話題を呼んでいる。

 手応えを感じたことから、直営とフランチャイズで、3年間で約50店舗まで増やす計画。「街の活性化に役立てるため主に地方に出店し、カレーパンを大衆化させる」(岸本氏)。

 テレワークの普及で、食事の回数が1日4食以上になった人が増え、ワンハンドで手軽に食べられるものが求められていることもカレーパンブームを後押しする。他にもレモネード専門店「LEMONADE by Lemonica」の創業者らもカレーパンが目玉の「小麦の奴隷」の全国チェーン化に動く。カレーパンを揚げる設備は小規模で済むことから省スペースで出店しやすく、フードトラックにも向くことも追い風。メロンパン以上に盛り上がりそうだ。

カレーパンだ。
カレーパンだ。
スパイスがしっかり効いた「Sexy」(上)と、フルーティーでまろやかな「めんこい」(下)をラインアップ
小麦の奴隷
小麦の奴隷
ジャガイモがたっぷり入ったザックザクした新食感が売り。10月に2日間限定で都内に出店したところ1200個を売った
もとむのカレーパン
もとむのカレーパン
多い日には1日2000本が売れる。入手困難なことから、ファンの間では「幻のカレーパン」とも呼ばれる
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