
ポーラが2020年9月にリニューアルした最高峰ブランド「B.A(ビーエー)」の売れ行きが好調だ。「B.Aローション」は9月11日の発売から1カ月で約8.5万個、「B.Aクレンジングクリーム」「B.Aウォッシュ」「B.Aミルク」「B.Aクリーム」の4品は10月2日の発売から1週間で合わせて約4.1万個販売した。
B.Aは1985年の誕生以来「人の可能性は広がる」というブランドのポリシーを掲げ、遺伝子研究の進化とともに刷新を繰り返している。第6世代となる今回は「人の肌質は、生き方やライフスタイルなどによって変わる未知の領域がある」ことに着目。「エピ・ハリネットワーク理論」を提唱し、「自分自身の生き方で、いつまでも美しさの可能性は広がる」という前向きなメッセージを打ち出している。それを集約したのが「可能性ばかりの、肌たちへ。」というコンセプトだ。
新型コロナ禍で「おうち時間」が増えて化粧をする機会は減り、マスクが欠かせなくなった日常は、美容の本質を考える時間にもなった。大切なのは素肌の美しさではないか──そんな美容意識が高まり、サイエンスに裏付けされたB.Aのポジティブなコンセプトと共鳴したことが、ヒットの要因といえるだろう。
また、ポーラは2017年に発売した日本初承認の薬用シワ改善化粧品「ポーラ リンクルショット メディカルセラム」の大ヒットをきっかけに、遺伝子研究に基づいた信頼できる化粧品メーカーであることが幅広い層に浸透した。そんなポーラのブランド力も、B.Aの売り上げを伸ばす後押しとなったはずだ。
ただ、どんなに素晴らしい商品であっても、ターゲットとなる顧客に伝わらなければ売り上げにはつながらない。今回、1本2万円(税別)と高価格なB.Aローションを発売1カ月で8.5万個も売り上げることができたのは、地道な販促活動が奏功したからだ。これまでもリニューアル時に販促活動は行っていたが、「新型コロナ禍でコミュニケーションが取りづらい時期だったからこそ、いつも以上に力を入れた」と、ポーラ B.A ハイプレステージチームの倉田翔子チームリーダーは話す。
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